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病名からまぶたがぴくぴくするイメージがある「眼瞼(がんけん)けいれん」。しかし、実際は、目を開けにくいなどの症状が続く。誤解されやすい眼瞼けいれんについて、関東中央病院(東京都世田谷区)の三嶋弘一眼科部長に話を聞いた。
眼瞼けいれん
◇両目に症状
上のまぶた、もしくは下のまぶたの一部が波打って動く症状の多くは「眼瞼ミオキミア」という病気だ。「肉体的、精神的なストレスや眼精疲労、睡眠不足が原因のため、休養を十分に取ることが治療になります」
一方、眼瞼けいれんは両目が開けにくい状態になる。まぶたを囲むように走る輪っか状の筋肉(眼輪筋)が異常に収縮して症状が表れる。原因は、大脳の深い所にある神経回路で、運動や認知機能、感情などをつかさどる「大脳基底核」の障害である。
「この病気は進行性で、次第に発作の時間が長くなったり、1日に起きる回数が増えたりします。中高年の女性に多いとされますが、理由は分かっていません」
診断では素早くまばたきができるかをチェックするが、眼瞼けいれんの人は、最初まばたきができても、いきなりぎゅっと目がつぶったままになる。また、両目をつぶった後に目を開けられるかを確認する方法もある。
初期の自覚症状は、目が乾いた感じがしたり、まぶしく感じたりして、目を開けているのがつらくなる。他人から「目つきが悪い」と言われて気付くこともある。
◇ボトックス注射で緩める
根本的な治療法はない。対症療法的にまぶたの皮下の数カ所に、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質から抽出された「ボトックス」を注射し、眼輪筋の緊張を緩め、症状を改善する。
「ボトックス注射の効果は人によって異なり、長い人で3カ月程度です。数カ月たって効果がなくなりそうになったら、再度注射します」
眼瞼けいれんは、抗不安薬などの抗精神病薬を長期間服用していると起こることも。その場合、原因となる薬の服用を止めると回復する。「珍しい病気で診断が難しいため、大学病院などで専門医に相談する必要があります」と三嶋部長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/12/22 05:00)
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