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「脂肪の吸収を穏やかにします」などといった、健康の維持、増進に役立つ事柄を商品に示すことができる「機能性表示食品」の数が近年増えている。機能性表示食品の特徴や、「コレステロールの吸収を抑える」などと効果が表示できる「特定保健用食品」(トクホ)などとの違いについて、大阪大学大学院医学系研究科(大阪府吹田市)臨床遺伝子治療学の森下竜一寄付講座教授に聞いた。
機能性表示食品の位置付け
◇企業の責任で届け出
機能性を表示できる食品には従来、有効性や安全性についての国の審査が義務付けられているトクホ、「ミネラル」「ビタミン」など栄養成分が表示されている「栄養機能食品」がある。これに2015年4月から機能性表示食品が加わった。
「トクホは、企業が出した個々の食品に関する臨床試験データを消費者庁が審査し、許可が下りた食品です。一方、栄養機能食品は、既に科学的根拠が確認されている栄養成分を一定量含む食品であれば、届け出をする必要はありません」
これに対し機能性表示食品については、発売前に消費者庁への届け出が必要だ。現在、6000品目近い商品の届け出がある。
「公平性の高い臨床試験を行って得られたデータ、あるいは関連する研究論文から機能性が科学的に認められたという結果を提出する必要があります。ただし、トクホと違い審査はありません」。トクホのような手間やコストが掛からず、商品を出すことができるようになった。
◇表示内容を守って摂取
「機能性表示食品の届け出データは全て公開され、消費者庁のウェブサイトで見ることができます。トクホより機能性の幅が広い上、サプリメントや飲料だけでなく、魚、農畜産物なども含まれますから、自分の健康目的に合った食品を多くの商品の中から選べます」と森下教授。
注意したいのは、表示内容をよく読むこと。「パッケージに書かれた1日当たりの摂取目安量、摂取の方法、注意事項などを守って利用することが大切です。また、広告に病気を治療または予防できるといった表現があったら、食品表示法違反となります。賢く利用し、自分の健康の維持、増進に役立てほしいです」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/01/01 05:00)
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