治療・予防

健康食品やサプリメントでも 薬物による肝臓の異常-薬物性肝障害

 薬物を服用した後に肝機能が低下し、さまざまな症状を引き起こす「薬物性肝障害」。最近では一般に入手しやすい健康食品やサプリメントが原因となるケースも報告されている。重症化して死に至ることもあるため、症状が表れたら早めに対処する必要がある。昭和大学病院(東京都品川区)消化器内科の坂木理医師に話を聞いた。

薬物性肝障害の主な症状

 ▽重篤化して死亡する例も

 体内に入った薬物の大部分は、消化管から吸収され、肝臓に運ばれて代謝される。薬物性肝障害とは、薬物自体または薬物が体内で分解されてできた物質が原因となって起こる肝臓の異常である。倦怠(けんたい)感、発熱、黄疸(おうだん)、食欲不振、発疹、かゆみなどの症状が表れた場合には注意が必要だ。坂木医師は「非常にまれですが、重篤な急性肝不全を発症し、命に関わることもあります」と注意を促す。

 肝障害を引き起こす薬物としては、抗生物質、抗精神病薬、解熱鎮痛薬といった病院での処方薬や、総合感冒薬や漢方薬などの市販薬の報告が多い。

 薬物性肝障害は、発症する原因により予測可能な「中毒性」と、予測困難な「アレルギー性」「代謝性特異体質」の三つのタイプに分けられる。

 中毒性は肝臓の代謝能力を上回る量の薬物を服用することで発症する。アレルギー性は、特定の薬物に対してアレルギー反応が起き、発熱や発疹、かゆみなどの症状が表れることが多い。代謝性は、薬物を代謝する酵素の量が少ないことなどに起因して生じる。

 症状の大半は、服用から1~4週間以内に出現するが、自覚症状が乏しいことも多く、肝機能検査で発見されることもしばしばだ。肝障害の指標となるAST、ALT、ALP、γGTP、ビリルビンの検査値が異常値を示すため、これらを調べ、経過を見ることが重要となる。

 治療法としては原因となる薬物を中止するのが最も有効で、黄疸や重い肝障害がある例では、他の薬物による治療や入院加療が必要になることもあるという。

 ▽早めの対処が肝心

 近年、問題となっているのが、健康食品やサプリメントによる肝障害だ。国内では2002年に中国製のダイエット用健康食品を使用した人の中から重篤な肝障害による死亡例が報告され、その危険性が知られるようになった。坂木医師は「健康食品、医薬品を問わず、副作用が生じる可能性を念頭に置くべきです。肝障害は気付かずに放置すると重症化する恐れがあるため、症状が表れたら医師や薬剤師に相談してほしい」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)

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