2024/12/18 05:00
冬の気分低下どう乗り切る?
~少し速足で歩くと気分前向きに~
日本の喫煙人口は2019年時点で男性27.1%、女性7.6%です。減少傾向にはあるものの、下げ止まりの状態にあると言えます。2月は生活習慣病予防月間であり、たばこのリスクについて改めて取り上げてみます。
◇生活習慣病のリスク
日本生活習慣病予防協会は「一無、二少、三多」を標語にしています。たばこをやめ(無煙)、お酒を少なくし、身体を動かすことや人とのつながりを多くすることで生活習慣病を予防しようという内容を表したものです。協会は今回、禁煙をテーマにした川柳を一般公募。最優秀賞に選ばれたのは、三重県の20代女性の作品でした。
「禁煙で 守る自分と 未来の子」
優秀賞は次の3作品です。
「加熱式 無煙という名の 落とし穴」
「タバコ代 塵も積もれば 山となる」
「その煙 吸わぬ人にも 忍び寄る」
ストレスがたまると「たばこの本数が増えてしまう」「たばこをやめるとかえってストレスになる」という声を聞きますが、実際どのくらいニコチンに依存しているかチェックする方法があります。TDSニコチン依存度テストで、当てはまる数が五つ以上あるとリスクが高いと言えます。
ニコチン依存度チェック
◇ブリンクマン指数
また、たばこの人体への影響を予測する指標としてブリクマン指数があります。これは1日の喫煙本数×喫煙年数です。
たばこの煙にはニコチンやタールなど多くの有害物質が含まれています。そして、習慣的に喫煙することでがんの発症リスクを上昇させ、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患や狭心症などの冠動脈疾患を引き起こすことが知られています。これらの健康被害のリスクは喫煙量にほぼ相関することが分かっており、ブリンクマン指数の値が大きければ大きいほど、健康被害を受ける危険性が高いと考えられるのです。
同指数は200を超えると依存症レベルとされていて、35歳以上の禁煙外来受診者において、健康保険が適用されるか否かを判断する指標にもなっています。35歳以上の人は指数が200以上の場合のみ保険適用が可能と定められています。
また一般的に、指数が400以上になると肺がんのリスクが上昇します。700以上になると閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や狭心症などの心疾患に罹患(りかん)しやすくなり、1000以上で喉頭がんのリスクが上昇するとされています。
吸わない人への影響も深刻です。受動喫煙との関連が「確実」と判定された疾患には肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群の4疾患があり、わが国では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡していると報告されています。
若いころから喫煙している場合ほど健康被害が大きく、ニコチン依存も強くなります。一方で、長年喫煙している人でも30歳で禁煙すれば寿命が10年、50歳では6年、60歳では3年延びるとも言われています。禁煙外来を受診して禁煙に取り組んではいかがでしょう。(了)
(2023/02/06 05:00)
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