治療・予防 2024/12/27 05:00
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唾液を口の中に分泌する唾液腺の管(唾液腺管)の内部に「石」ができて流れが滞り、食事の際に顎の下などに腫れや痛みが表れる。そのような病気を「唾石(だせき)症」という。日本医科大学付属病院(東京都文京区)耳鼻咽喉科・頭頸(とうけい)部外科の松延毅准教授に話を聞いた。
唾石症
◇唾液の流れ悪く
患者は小学生から高齢者まで幅広いが、特に20~40代が多い。石は唾液腺管内部の有機物や唾液中のカルシウムなどで作られ、大きさや形はさまざま。最初は「ちり」のようだが、徐々に1~30ミリまで大きくなることもある。
「耳下腺、顎下腺(がっかせん)、舌下腺の三つの唾液腺のうち、顎の下辺りにある顎下腺管にできるケースが8~9割を占めます」
唾液は食事中に多く分泌されるが、その流れが石によって滞るため、唾液腺に腫れや痛みが生じる。食事が終わると唾液分泌が減り、滞っていた唾液も管内の壁と石の隙間から少しずつ流れ出すので、1~2時間で症状は治まる。しかし、何らかのきっかけで、唾液腺管に口の中の細菌が入ってしまうと化膿(かのう)性の炎症が生じ、急に痛みがひどく症状が悪化する。
◇内視鏡で治療
悪性の病気ではなく、石が自然に出てくることもあるため、日常生活への支障がなければ、経過観察も選択肢の一つ。また、食後に唾液腺をマッサージすることで、「小さい石は排出されるかもしれません」。
ただし、症状の程度によっては手術が必要になる。手術には、唾液腺管の出口から管内に内視鏡を挿入して石を取り出したり砕いたりする「内視鏡手術」と、口内の粘膜を切開して石を取り出す「口内法」がある。首の皮膚を切開して唾液腺そのものを摘出することもある。
大きさが4~5ミリ以下で、管の中を浮遊しているような石は、内視鏡手術だけで摘出できる可能性が高いという。それより大きい石や管の壁に癒着している石の場合、口内法と内視鏡を組み合わせる。石が大きかったり、癒着が著しかったりする場合は、頸部(けいぶ)を切開して唾液腺を摘出することもある。
松延准教授は「症状を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科を一度受診しましょう」と助言している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/07/04 05:00)
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