治療・予防

多くが無症状の胆石
~がん化するリスクも(四谷メディカルキューブ 梅澤昭子外科・内視鏡外科部長)~

 胆汁に含まれるさまざまな成分が結晶化し、結石ができる胆石症。多くは無症状だが、強い痛みを引き起こすこともある。その原因と治療、日常生活での注意点について、四谷メディカルキューブ(東京都千代田区)の梅澤昭子外科・内視鏡外科部長に聞いた。

胆のうは肝臓でつくられた胆汁を一時的に蓄える

 ▽高脂肪食で結石に

 胆のうは、筋肉の動きで風船のように拡張、収縮する長さ7~10センチ、幅3~10センチの小さな袋状の消化器で、肝臓でつくられた胆汁を一時的にためている。胆汁は、食べた物が胃から十二指腸に運ばれると、胆のうから押し出されて脂肪の消化吸収を促進する。主な成分はコレステロールや分解代謝物のビリルビン、胆汁酸などで、これらが結晶化して固まったものが胆石だ。

 「最も多いのが、食習慣の変化で高脂肪食が増えたことによるコレステロール結石です」(梅澤部長)。他に、女性や40代以降の人などに多いとされる。高ストレスや急激なダイエットで胆のうの動きが悪くなると、胆汁がよどんで胆石ができやすい状態になる。食生活の見直しと共に過度なダイエットやストレスを避けることもリスクを抑えるのに有用だ。

 ▽がんの過半数に胆石

 胆石は健康診断で発見されることが多く、ほとんどが無症状で治療は不要だが、定期的な検査を受けることが重要。「胆石症だから胆のうがんになりやすいわけではありませんが、胆のうがんの人の50~75%が胆石症を合併します。無症状だからと放置しないことが大切です」

 また、みぞおちの激しい痛みや黄疸(おうだん)などの自覚症状がある場合は手術で胆のうを取り除く治療を行う。「実際に手術が必要なケースはそれほど多くありませんが、腹腔(ふくくう)鏡という内視鏡を使った体への負担が少ない方法、もしくは開腹手術を行います」

 梅澤部長は「胆のうの周りにはさまざまな消化器があり、胃痛で内視鏡検査をして問題がなかった人が、実は胆石症だったというケースもあります。特に健康診断で胆石があると言われたことがあり、上腹部の鈍痛が長く取れない場合は胆石症の可能性もあります。早めに医師に相談してください」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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