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日本人の食生活に欠かせないみそ。室町時代に庶民の暮らしに浸透し、江戸時代には「医者に金を払うよりもみそ屋に払え」と言われたほど、健康効果は昔からうたわれてきた。
東京慈恵会医科大学付属病院栄養部(東京都港区)の管理栄養士である赤石定典さんは「みそには、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境は、健康づくりの第一歩です。腸には免疫細胞の約7割が集まり、栄養の入口と出口を備える器官でもあるからです」と話す。
さまざまな効果が期待できるみそ汁
◇植物性タンパク質
日本人にとって身近なみその食べ方は、みそ汁だ。みそ汁をよく飲む人ほど、胃がんによる死亡率や乳がんの発症率が低いという調査報告がある。またコレステロール値の抑制や、原料である大豆に含まれるイソフラボンによって、骨粗しょう症の予防にも役立つと期待されている。
みその健康効果は「合わせる食材次第で異なりますが、みそ自体の良さは植物性の大豆タンパクを豊富に含む点です。肉、魚、卵などほとんどのタンパク質は動物性ですが、理想は動物性と植物性を1対1の割合で摂取する食事ですので、大豆製品は貴重です」
◇善玉菌を増やす
みそは発酵食品として、腸内環境を整える効果もある。動物性の発酵食品に含まれる菌に比べ、植物性の菌は生きたまま腸に届きやすく、菌そのもので整腸作用を持つ。生きたまま腸に届けるには、からしみそ、ぬた、そのまま野菜につけるなどの調理法で、みそを生の状態で体内に取り入れる。
「50度以上の熱を加えると細菌は死にますが、死んだ菌は善玉菌の餌となり、腸内環境を改善します」
腸内には善玉菌と悪玉菌、いずれかの優勢な細菌と同じ働きをする日和見菌が存在する。善玉菌が活発に働くと、体の免疫機能が高くなる、コレステロール値を下げる、発がん性物質を産生しづらくするなどの効果が報告されている。
みその塩分は血圧を上げにくい、という研究結果もあるが、取り過ぎは禁物だ。赤石さんは「塩分が気になる場合はイモ類、ホウレンソウ、海藻などカリウムを多く含む具材と合わせると良いでしょう。カリウムは、塩の成分ナトリウムの排出を促してくれます」と述べている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/07/15 05:00)
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