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スマホ老眼やスマホ内斜視といった言葉が知られるようになり、スマホによる目の健康への影響に関心が高まっている。目やにもスマホが関連する症状の一つだ。画面を長時間見ることによって出やすくなるという。梶田眼科(東京都港区)の梶田雅義院長に、メカニズムや対処法を聞いた。
涙の構造
◇自律神経が失調
目やには医学用語では眼脂(がんし)といい、角膜や結膜の新陳代謝で不要になった古い細胞などが脱落してできる。また、細菌やウイルスが感染し、その免疫反応で出た目やにには細菌やウイルスの残骸、病原体と戦った白血球などが含まれている。
梶田院長は「近年、スマホなどの使用による目の疲れで本院を受診した人では、目やにを伴うケースも少なくありません」と話す。
スマホの画面を集中して見ているとまばたきが減って、涙が十分に分泌されず、目の表面が乾いて傷が付きやすくなる。角膜に傷が付くと充血したり、目やにが出たりする。
また、目のピント合わせは自律神経によってコントロールされており、遠くを見るときは交感神経の働きが強くなり、近くを見るときは副交感神経の働きが強くなる。スマホの画面を長時間見ていると副交感神経優位の状態が続いて、自律神経の失調を来し、涙の質が変化して、やはり目やにが出やすくなるという。
◇10分に1回遠く見る
梶田院長はスマホの画面を見続けるときは10分に1回、1~2秒、遠くの物を見ることを勧める。「近くと遠くを見ることで自律神経のバランスが改善され、目の疲れが和らぎ、涙の質も良くなります」
また、近くを見るために寄っていた目が、遠くを見ると元に戻りやすくなるという。遠くを見たり近くを見たりすると、眼球の中にあってピント合わせをつかさどる毛様体筋および、眼球の外に付着して眼球を動かす外眼筋が伸び縮みして筋肉内の血流が促され、筋肉の疲労回復にも有効となる。
「長時間スマホの画面を見ていて、目が乾いたり目やにが出たりする他、肩凝りや頭痛がするようなら、眼科での検査をお勧めします。目やにの量や粘り気が増す、黄緑色など色のついた目やにが出るといった場合は、感染症など別の原因が考えられるので早めに受診を」と梶田院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/02/11 05:00)
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