治療・予防

「カラコン」正しい知識を
~日々のケアでトラブル回避(つきやま眼科クリニック 月山純子院長)~

 若い女性を中心に人気のカラーコンタクトレンズ(カラコン)。瞳が大きくきれいに見える効果が期待できるため、ファッション感覚で愛用する人も。ただ、眼科を受診しなくても、ネット通販やドラッグストアなどでも気軽に購入できることから、コンタクトレンズを使用する際の注意点を把握していない人も多いという。

 「正しいケアを知らないまま使用しているケースも多く、目のトラブルを起こす人が非常に増えています」と、つきやま眼科クリニック(和歌山県橋本市)の月山純子院長は話す。

カラコン使用の前は眼科を受診

カラコン使用の前は眼科を受診

 ◇長くて12時間程度に

 カラコンが原因で起こる障害として「角膜や結膜に傷が付く、アレルギー症状が出る、角膜への酸素供給が不足するなどが考えられます」。

 角膜が傷つくと細菌が侵入しやすくなり、黒目が白くなったり視力が低下したりする「感染性角膜炎」になるケースも。角膜の傷が深くなり、中には失明してしまう例もあるので注意が必要だ。

 アレルギー性結膜炎は、カラコンとまぶたの裏側の結膜がこすれて炎症が起こり、かゆみを伴う。また、角膜に届く酸素が不足すると、血管が浮き出たりむくみが見られたりすることがある。

 「これらの障害の主な原因は、カラコンの長時間装用や間違ったケアによるものです。長くても12時間程度で外すようにしましょう」

 ◇必ず眼科受診を

 長時間の装用を避ける以外にも、いくつかの注意点がある。使い捨てタイプのものは必ず使用期限を守る。レンズを触る前にせっけんで手を洗う。1日使い捨て用以外のレンズは、使用後に専用の洗浄液で両面を20回程度こすり洗いをして、すすぐ。ケースはぬれたまま放置しておくと細菌が増殖するので、毎回よく洗ってしっかり乾燥させることが大切だ。

 コンタクトレンズを装用していると、眼球の痛みが軽減されることがあるが、これはレンズがばんそうこうのように傷口をふさぐ「バンデージ効果」によるものだという。コンタクトレンズを着けていれば痛みを感じないからと、治療せずに放置すると症状が悪化しやすいので、痛みがあればすぐに使用を止めて眼科を受診する。

 「最近は酸素透過率が高く、性能の良いカラコンが増えています。使用する際は、必ず眼科を受診し、自分の目に合ったレンズを使い、正しいケアを行うことが重要です」。コンタクトレンズに関する情報は、日本眼科医会のウェブサイト(https://www.gankaikai.or.jp/contact―lens/index.html)で見られる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

【関連記事】


新着トピックス