治療・予防 2024/12/27 05:00
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耳の入り口から奥の鼓膜までの「トンネル」内にカビが繁殖する外耳道真菌症。かゆみ、耳だれなどの症状が現れる。自治医科大学付属さいたま医療センター(さいたま市)耳鼻咽喉・頭頸部外科の吉田尚弘教授に原因と対策を聞いた。
外耳道真菌症
◇カビが好む湿った環境
「症状としては、かゆみが多いが、耳の閉塞(へいそく)感、聞こえにくさや痛みを生じることもあります」
発症の主なきっかけは、耳あかやかゆみを気にして綿棒などで過度にいじること。外耳道の皮膚は薄いため荒れやすく、炎症が起きてじくじくする。長引くと、皮膚に備わる保護作用や自浄作用も衰える。
その上、「外耳道は真っすぐな筒状ではなく、曲がっていたり、くぼみがあったりします。突き当たりには鼓膜があり、一種の閉鎖空間」だ。湿っていて、換気が悪い環境はカビに好都合で、外耳道にすみついて繁殖する。「耳を診察すると、じゅうたんのようにカビの胞子が見えることもあります」
繁殖するカビは、アスペルギルスやカンジダという種類が多い。
◇耳掃除は不要
自然治癒はほぼ期待できず、医療機関での治療が必要だ。通常は何回か通院し、医師がカビや皮膚のかけらを取り除くとともに、増殖を抑える薬を塗布する。効果がないときや、カビが皮膚の下に深く入り込んだときは飲み薬を使うこともある。
吉田教授によると、予防、悪化を防ぐための注意点は主に二つある。まず耳の中をいじらないこと。「湿った耳あかを綿棒で奥に押し込まないでください。耳鼻科医の間では『耳掃除は基本的に不要で、ときに危険な行為』との認識です。乾いた耳あかは自然に出てきます。違和感があれば、耳鼻科を受診してください」
もう一つは、かかりつけ薬局を1カ所持つこと。真菌症の薬は他の病気の薬と飲み合わせが悪いことがあるからだ。医師側が注意することに加え、薬局の薬剤師がその患者に他科、他院で処方された薬の情報などをチェックすれば、トラブルを防げるという。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/05/01 05:00)
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