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子どもが膝を曲げ伸ばしする時に膝の外側を痛がる、あるいは関節が引っ掛かる、外れる感じを訴える―。こういった症状が出ると、膝関節内にある半月形の軟骨組織が生まれつき大きい「外側円板状半月板」の可能性がある。大阪公立大学大学院整形外科学(大阪市阿倍野区)の西野壱哉病院講師にこの疾患の特徴や最新の研究成果について聞いた。
外側円板状半月板の形状イメージ(左膝の横断面を上から見たところ)
◇膝が動かせなくなることも
半月板は膝関節内の外側と内側に一つずつあるCの形で、膝関節を安定させたり、ショックを吸収したりする役割がある。
外側円板状半月板は、外側の半月板が丸く、分厚い円板状になる先天的な形の異常。「アジア人に多く、日本人では人口の数%~十数%に見られます。症状が表れて受診する人の多くは10代前半の子どもです。無症状の人や、成人後に発症する人もいます」
外側円板状半月板は、半月板が損傷されやすい状態にあり、傷つくと症状が表れる。主な症状は「運動時の膝外側の痛みと関節の引っ掛かり感や外れるような感じ。曲げ伸ばし時に膝が『コクン』と鳴ることもあります。体育などでの運動が難しくなります」。進行すると腫れや激痛が生じ、膝が動かせなくなる「ロッキング」という症状を来す。「子どもの膝外側の痛みが続くようであれば、早めに整形外科を受診し、適切な治療を受けてください」と西野講師。
◇温存治療が主流
半月板は損傷すると修復されにくく、自然に良くなることはない。「症状があるのに放置すると、関節が変形して歩行困難になることもあります。症状が続く場合は手術を勧めます」。従来は半月板の切除術が行われていたが、最近は全てを切除せず、形を整えたり、一部を縫合したりする手術が主流になっている。
西野講師らは、症状がある事例と無症状の事例をMRIで観察し形状を比較した。その結果、症状のあるグループの半月板の幅や縁の厚さは、無症状グループより大きくなっていた。こうした形態的特徴から「症状が起きる原因を推測したり、手術の要否や方法、手術する範囲など、より適切な判断を下したりすることができるようになる」という。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/06/06 05:00)
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