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皮膚疾患のオンライン診療において、専門医は正しく診断できた割合(正診率)が8割超に上ることが、新潟大学大学院皮膚科学(新潟市)の藤本篤講師(研究当時)、阿部理一郎教授らの最新の研究で分かった。また専門性によって正診率に大きな差があった。
オンライン診療
◇視診が重要
スマートフォンなどを使ったビデオ通話によるオンライン診療は、新型コロナウイルスの流行をきっかけに増えた。しかし、日本では診療報酬が対面診療より低いことなどから、欧米諸国に比べて普及率は低い。
藤本医師は「視診(患部を目で見て診察)で得られる情報がより重要となる皮膚科の診療は、オンライン診療に比較的なじみやすいと考えられています。一方、あまり一般的ではない病気などの場合は診断が難しく、専門的な知識や経験を要する場合があります」と話す。
◇内科専門医らと比較
藤本医師らはオンライン診療で、主に視診による情報で皮膚疾患をどの程度正しく診断できるかを、専門性が異なる医師のグループで比較した。
2021年1月、皮膚疾患患者の男女計18人のうち、皮膚科専門医(5年以上の皮膚科臨床研修を修了し認定試験に合格した者)、皮膚科専攻医(臨床で研修中の者)、皮膚科以外の専門医(内科専門医)の各6人が皮膚の状態をビデオ通話を使って観察。患者の年齢、性別と簡単な病気の経過などの情報を加味して診断名を回答した。
「正診率の平均は皮膚科専門医83.3%、皮膚科専攻医53.7%、内科専門医27.8%で、三者の間で統計的に明らかな差がありました」と藤本医師。また皮膚科専門医、内科専門医それぞれの中では正診率のばらつきがほとんどなかったが、皮膚科専攻医の中ではばらつきが大きかった。さらに乾癬(かんせん)を含む炎症性角化症、炎症性皮膚疾患、遺伝性角化症(表面の角質層が厚くなったり剥がれ落ちたりする病気)など疾患別では、皮膚科専門医だけが80%以上の高い正診率を示した。
「オンライン診療は特に医療過疎地で皮膚科に限らず有用性が高い。今後さらに、適切な形で推進されることが望まれます」と阿部教授は話す。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/09/27 05:00)
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