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大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」(18カプセル入り2530円、90カプセル入り8800円)は、日本初の内臓脂肪・腹囲を減少させる話題の市販薬。4月の販売開始から約4カ月がたち、関係者に状況を聞いてみた。
内臓脂肪減少薬アライ
◇脂肪を便として排出
アライは、どのように内臓脂肪を減らすのか。
食事で摂取した脂肪は、膵臓(すいぞう)から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによって脂肪酸などに分解(消化)され、消化管から吸収される。アライの有効成分オルリスタットは、消化管内でリパーゼの働きを阻害するため、脂肪は分解・吸収されず、そのまま便として排出される。脂肪の吸収量が低下するため、内臓脂肪と腹囲の減少が期待できる、というわけだ。
要指導医薬品に分類。購入時に薬剤師から対面での説明が必須で、オンラインでは買えない。
使用者の条件は①腹囲が男性85センチ以上、女性は90センチ以上②購入の3カ月前から生活習慣改善に取り組んでいる③肥満症(BMIが25以上35未満で脂質異常症や糖尿病などの診断を受けている)に罹患(りかん)していない④BMIが35未満⑤服用開始から1カ月間の体重・腹囲、生活習慣改善の取り組みを記録する―などがある。
臨床試験では、腹囲減少率が服用2カ月後に6割弱が-3%、半年後には5割ほどの人が-5%達成と、有効性が確認されている。
「おなか周りの脂肪をなんとかしよう、と思った人にとって、アライ服用が身近な選択肢になってほしい」と大正製薬の藤田さん
◇想定以上のニーズ
開発を担当した大正製薬の藤田透さんによると、販売開始3カ月で年間販売計画の7割を突破。「想定していた以上のニーズがある」(藤田さん)。
問い合わせの多くは「自分がこの薬を飲めるかどうか」。服用の条件が多いため、購入できるかどうか分かりにくい。服用中の薬との飲み合わせなども気になるところだ。
これには、特設サイトに「購入条件チェックコンテンツ」を立ち上げることで対応。質問に答えていくと、飲めるかどうかが分かる。
対面販売をする薬剤師も手応えを感じている。スギ薬局の都内店舗エリアマネジャーで薬剤師の曽根麻友美さんは「宣伝の効果もあり、問い合わせは多い。リピーターの人からはBMIや体脂肪の減少といった効果が出てきたという声も聞こえ始めた」と話す。
(2024/08/21 05:00)
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