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血液のがんであるリンパ腫の一種「ホジキンリンパ腫」。治療の効果が表れやすいがんだが、再発した患者や難治性の患者にも治療手段が増えてきた。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)血液腫瘍科の伊豆津宏二科長に現状を聞いた。
ホジキンリンパ腫の症状
◇発熱、体重減少、寝汗
ホジキンリンパ腫は、細菌やウイルスから体を守る血液中のリンパ球が無秩序に増殖し、リンパ節などにしこり(リンパ腫)を作る。発症の原因などは明らかになっていない。
「20代と50~60代に発症のピークがあります」と伊豆津科長。若年者では、左右の肺の間の「縦隔(じゅうかく)」という部位にリンパ腫ができ、症状はないが、健康診断のエックス線検査で発見されることが多い。痛みを伴わない首のリンパ節の腫れに気付き、診断されるケースもある。
中高年には、リンパ節の腫れだけでなく、▽原因不明の38度以上の発熱▽急激な体重減少▽大量の寝汗―といった症状が受診のきっかけになることが多い。
治療としては、リンパ腫がごく限られた部位にある時期は、抗がん剤と放射線を組み合わせて行われる。「それぞれの有効性を引き出しつつ、副作用の軽減を目指します」。リンパ腫が全身に広がっている時期には、抗がん剤と抗体薬物複合体(抗体に抗がん剤などを付加した薬)を併用する。いずれの病期でも、多くの患者で治癒が期待できるという。
◇免疫療法が可能に
これらの治療が効かない患者に近年、免疫の力を利用してがんを攻撃する免疫療法薬が使えるようになった。「臨床試験では、再発または難治性の患者の6~7割で有効性が認められました」
ただし、免疫療法薬には特徴的な副作用もある。例えば、体の機能を調節するホルモンを分泌する甲状腺の機能低下だ。「命には関わらないものの、ホルモン剤の内服で補充を続けなくてはなりません」
伊豆津科長は「標準的な治療で当初の効果が見られなくなった場合でも、さまざまな選択肢があります。リンパ腫をより多く見ている病院に、セカンドオピニオンを求めるのもよいでしょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/11/20 05:00)
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