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運動は記憶力を向上させることが知られているが、その効果は8週間後まで維持されることが、北海道教育大岩見沢校(北海道岩見沢市)の森田憲輝教授らの研究で分かった。運動が脳の記憶機能を高めることで、学業成績の向上に一役買っている可能性も考えられる。
運動と長期記憶
◇これまで効果の持続は不明
記憶は、保持される時間の長さが数分程度までの「短期記憶」と、数分程度以上の「長期記憶」に分けられる。例えば、電話番号を一時的に覚えて電話をかけるといった場合の記憶は短期記憶で、数分以内に忘れてしまう。
一方、繰り返し電話をかけているうちに、その電話番号を忘れなくなるのは長期記憶だ。家族の名前、思い出、知識、技能、習慣なども含まれる。
森田教授によると、長期記憶の情報は時間がたつにつれ薄れ、1カ月後では約20%しか残らないという。「長期記憶の能力が運動によって向上することが報告されていますが、どれくらい続くかは不明でした」
◇正答数が10%多く
森田教授らは、健康な大学生44人を対象に、20分間のややきつい程度(中強度)の自転車こぎ運動の後、単語15個を声に出して読んで覚えてもらった。さらに時期を変え、20分間座って安静にした後、単語15個を同じ方法で覚えてもらった。記憶学習から一定の期間ごとに、どの程度単語を思い出すのか、テストを行った。
正答数を運動した場合と安静の場合で比較したところ、24時間後、4週間後のテストでは明らかな差は見られなかったが、6週間後、8週間後では、運動した方が正答数はそれぞれ約10%多くなった。11カ月後では差がなかった。「記憶学習前に中強度の運動をすると、少なくとも8週間は長期記憶が強化されることが分かりました」
森田教授らは以前、中学生の学業成績と運動頻度の関係を検討し、運動頻度が週2日までのグループに比べ、週3~5日のグループ、6日以上のグループで学業成績が明らかに良いことを報告した。「この結果も踏まえると、定期的な運動による効果が記憶能力を高め、学業成績を上げる可能性も推測されます」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2025/05/14 05:00)
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