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インフルエンザは急な高熱とともに肺炎などの合併症を引き起こしやすい。インフルエンザにかかったら一刻も早い対応が必要だが、妊娠中は治療をためらってしまう女性が少なくない。慶応義塾大学医学部(東京都新宿区)産婦人科学教室の宮越敬講師は「インフルエンザは、妊娠中でも予防と早期の治療が重要です」と強調する。
▽治療しないことの弊害
2009年に新型インフルエンザが世界的に流行した際、米国では多くの妊婦が死亡した。宮越講師は「妊娠中は薬を飲めないという妊婦の思い込みと、医療者側の治療へのちゅうちょが重症化につながったと考えられます」と指摘する。
むしろ、治療をしないまま高熱が続くことの方が問題で、妊娠初期の胎児には影響が出やすくなる。「妊娠中も服用できる解熱剤と抗インフルエンザ薬で、できるだけ早く治すことが大切です」
▽妊婦も予防接種可能
ただし、インフルエンザにかかったからといって、かかりつけの産婦人科にいきなり駆け込むと他の妊婦にうつしてしまう恐れがある。「本来なら近所の内科を受診した方がよいのですが、もしかかりつけの産婦人科に行く場合でも事前に電話をして指示を受けてください」と宮越講師。
インフルエンザは家庭内感染が多いため、予防は家族全体で行うことが大切だ。マスクの装着や積極的なうがい、手洗いだけでなく、予防接種も受けておきたい。
インフルエンザの予防接種は、卵アレルギーがなければ、妊娠前でも妊娠中でも受けられる。宮越講師は「妊娠中でもインフルエンザの予防と治療は可能です。ためらわず受診してほしい」と呼び掛けている。
(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/10/24 05:55)
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