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冬になると、手足の指先が真っ赤に腫れ、強いかゆみに悩まされる人も多い。こうした霜焼けは減少傾向にあるが、聖路加国際病院(東京都中央区)皮膚科の新井達部長は「霜焼けに似た紅斑が出る別の病気の可能性もあります。繰り返す場合には皮膚科を受診してみてほしい」と呼び掛けている。
▽生活環境が影響
冷え症の女性は要注意
霜焼けは手足の指や耳たぶなどに現れる皮膚症状で、寒さにより静脈の血の巡りが悪くなり、その結果、血管や汗腺の周囲にリンパ球による炎症反応が引き起こされる。新井部長は「真冬よりも1日の気温変動幅が10度以上になる初冬や初春に起こりやすいのが特徴です」と説明する。ただ、最近では、気密性の高い住宅が増え、暖房で室内全体を暖かくできるようになったこともあって、霜焼けは減っている。
しかし、台所を預かることも多い中高年女性には霜焼けは依然、悩みの種。「冷え性や暖房が苦手、手荒れを気にして家事でお湯を使わない人は要注意です」
高齢者にも霜焼けは多い。特に日ごろからあまり歩かない人の場合は、静脈の働きが低下して膝から下の血行が悪くなりやすい。視力が低下して体も硬くなり、霜焼けができやすい足先を見る機会が減るため、痛みが強くなってからようやく受診するケースが少なくない。
▽膠原病の可能性も
一般的な霜焼けなら、ステロイド剤で炎症を抑えながら、血の巡りを改善するビタミンEや「ヘパリン類似物質」を含む塗り薬などを使う。なかなか治らない場合、傷が崩れ潰瘍になってしまった場合でも、新井部長は「保険適用外ですが、血管を開く作用と末梢(まっしょう)循環を改善する『プロスタグランジンE1製剤』もあります」と強調する。
注意が必要なのは別の病気の可能性もあることだ。「幼少時から霜焼けを繰り返す場合は『シェーグレン症候群』、紅斑が手の甲まで広がる場合は『全身性エリテマトーデス』の可能性があります」と新井部長。
シェーグレン症候群は目や口の渇き、全身性エリテマトーデスは関節症状や皮疹が特徴で、いずれも膠原(こうげん)病の一つだ。こうした場合は膠原病の専門医と連携しながら治療を行い、皮膚科では紅斑の改善を目指すことになる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/11/15 06:00)
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