治療・予防 2024/12/27 05:00
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口内の粘膜は一見、問題は無さそうなのに、舌や唇、上顎、頬の内側に焼けるような痛みが1日2時間以上、3カ月を超えて続く「口腔灼熱(こうくうしゃくねつ)症候群」。医師や歯科医師にもあまり知られていないため、病院を転々とする患者も少なくない。中川駅前歯科クリニック(横浜市)の二宮威重院長に話を聞いた。
▽昼以降に増す痛み
歯の治療のせいだと思い込み、治療を繰り返す人も
口腔灼熱症候群患者の数は女性が男性を圧倒的に上回り、中でも閉経前後の女性が多い。主な症状は舌の痛みであるため「舌痛症」と診断されることもあるが、二宮院長は「そうした患者さんをよく調べてみると、実際は上顎や頬の内側にも痛みを訴えるケースが少なくありません」と話す。
痛みは朝は比較的軽いものの、昼すぎから夕方にかけてひどくなってくる。ただ、
や就寝中、趣味などに没頭しているときには忘れている人もいる。痛みの感じ方もさまざまで、我慢できずに仕事を休んでしまう人がいる一方、何となくぴりぴり感じるだけという人もいる。
ストレスが発症のきっかけになることが多く、家族の不幸や職場の人間関係、震災のような災害も引き金になり得る。二宮院長は「ストレスで神経回路が『混線状態』になるためと思われます」と、中枢神経や心因的な問題が関係しているのではないかとみている。
▽焦らず気長に治療を
口腔灼熱症候群の治療は、薬物療法が中心になる。抗うつ薬の「アミトリプチリン」や、神経の痛みに効果がある「プレガバリン」、健康保険は適用されないが漢方薬を使うこともある。
二宮院長によると、市販の鎮痛剤を飲んでも痛みを抑えるのは難しいという。「特に痛みが出てから時間が経過すると脳に痛みが記憶されてしまい、治療が長引く傾向が強まります」
最近では、カウンセリングや認知行動療法など心理的な治療も行われている。「悩みなどを話すだけで痛みが軽減されるケースも少なくありません。口腔灼熱症候群の治療は、焦らず気長に続けることが大切です」と二宮院長は強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/11/22 06:00)
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