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歩くと足に痛みが出て、しばらく休むと消え、また歩けるようになる―。この症状を「間欠性跛行(はこう)」という。歩かなければ痛まないので軽視されがちだが、症状の陰には血管や神経に関わる病気が潜み、放置すれば原因となる病気が悪化する。足専門の総合病院である下北沢病院(東京都世田谷区)の長崎和仁副院長(血管外科医)に話を聞いた。
しばらく休むと痛みが引くのが特徴
▽血流低下で痛み発生
間欠性跛行は、足の血管が狭まり血液が十分に行き渡らない閉塞(へいそく)性動脈硬化症や閉塞性血栓血管炎、腰椎内部の神経通路である脊柱管が狭まる腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症などの患者に見られる。
「歩行などで筋肉を動かすには、多くの血液を
としますが、血管に動脈硬化などの問題があると血液が十分に行き渡らず、筋肉が虚血状態になり痛みが生じます。一方、脊柱管が狭まると、その中を通っている神経や血管が圧迫されます。その状況で歩くと神経への血流が低下し、その働きが損なわれて痛みが出るのです」と長崎副院長は説明する。
▽原因特定、早期治療を
しばらく休めば症状が消えるため、年のせいと思い込み、痛みが出ないようゆっくり歩く、なるべく歩かないようにするといった消極的な対処をする人は少なくない。しかし、痛みを避けて歩かないでいると、筋肉が痩せて歩けなくなってしまう。
間欠性跛行を放置すると、原因となっている血管や神経の病気を進行・悪化させてしまう。血流性の病気の場合、歩かなくても痛みが出る安静時痛や、足が腐ってしまう壊疽(えそ)に至る危険性もある。足に血流障害があれば、脳や心臓に同じ病態があるとも考えられる。長崎副院長は「早めに治療を始めることで、心筋梗塞や狭心症、脳卒中のリスクを軽減できます」と強調する。
腰部脊柱管狭窄症は、進行すれば安静時にも痛みが出たり、排尿障害を起こしたりして、手術をしても完治しにくくなる。また、間欠性跛行とよく似た症状が出る別の病気もあるという。「痛みの原因を探るためにも、足専門の医療機関への受診を勧めます」と長崎副院長は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/02/17 06:00)
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