女性アスリート健康支援委員会
「バタフライの申し子」星奈津美さん、試練もプラスに
競泳女子200メートルバタフライで世界選手権に優勝し、オリンピックという大舞台にも3大会連続で出場、2大会連続の銅メダルという輝かしい成績を残した星奈津美選手。その競技人生は、バセドウ病という持病抜きには語れない。幼いころから水泳が大好きだった星さんは、発症した高校生以降も家族やコーチ、医師らのサポートを得て治療や手術を受けながら、泳げる喜びを胸に試練を力に変え、トップスイマーとしての高みを目指し続けた。引退して新たな人生をスタートしている星さんに、競技者としての苦闘と歓喜を振り返ってもらった。(3回連載)
星奈津美さん(ほし・なつみ) 1990年生まれ。埼玉県出身。200メートルバタフライを得意種目とし、春日部共栄高校1年と2年の時にインターハイを連覇。2008年の北京五輪でオリンピック初出場を果たし、10位に入った。早稲田大学に進み、11年に2分6秒05の日本新をマーク、12年には2分4秒69まで記録を伸ばし、同年のロンドン五輪で銅メダルを取った。15年には世界選手権史上初めての日本人女王に輝き、競技生活の集大成となった16年リオデジャネイロ五輪で2大会連続の銅メダルを獲得した。
現在は水泳教室や講演、スポーツ解説などの仕事に取り組む。女性アスリート健康支援委員会サポーター。