回復体位の確保 家庭の医学

 意識はなくとも呼吸がある場合や、心肺蘇生で反応が戻った場合は、傷病者に回復体位をとらせます。
 頭と身体を横向きにして、下になる腕を前に伸ばし、上になる腕を曲げて、手の甲に顔を乗せるようにします。上になる足のひざを90°ぐらいに曲げて、姿勢を安定させます。妊婦では左側を下にした側臥位(そくがい)にします。
 こうすることで舌下沈下を防ぎ、嘔吐(おうと)した場合でも誤嚥(ごえん:気管に食べ物などが入り込むこと)する危険性が少なくなります。ただし、長時間同じ姿勢をとることは、血管や神経に負担がかかるので避けましょう。

(執筆・監修:医療法人財団健和会 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問 箕輪 良行)

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