凍傷の手当て

 からだの一部分が寒冷により極端に冷やされ、皮膚・皮下組織、さらには筋肉や骨までもが傷害されるのが凍傷です。発生しやすいのは露出している頭部や手足(四肢)で、手よりは足のほうに多い傾向があります。
 通常、-7℃以下の冷気に3時間以上さらされると、凍傷が発生します。また、気温のほかに湿度が関係し、湿度が高いと凍傷にかかりやすくなるといわれています。

■凍傷の重傷度
 皮膚表面のみの凍傷(表在性凍傷)は俗に「しもやけ」といわれ、皮膚が赤くなり、かゆみや痛みが感じられます。これが、皮下組織や筋肉、骨までもが傷害されると深在(しんざい)性凍傷となり、外科手術が必要です。


■簡単な手当て
 凍傷の部分を40~44℃のぬるま湯にひたして、凍傷部分を急速に加温・解凍させます。このとき、激しい痛みが感じられることがあります。

□保温のしかた
 凍傷にかかったり、からだ全体が寒冷にさらされ体温が極度に低下し生命の危険が迫っている「偶発性低体温症」では、からだをあたため、体温を急速に復温する急速復温が必要です。電気毛布、赤外線ヒーター、温浴、ウォームマットなどでからだをあたためます。そして、必ず病院を受診させるようにしてください。
 また、それ以外の傷病者でも、冷たい床などに寝かせたままにしておくと、体温が下がり病状悪化を招くことがあります。すみやかに毛布などで包み、体温が下がらないように保温することが必要です。
 保温は季節に関係なく実施します。また、衣服がぬれているときは脱がせてから保温し、このとき、毛布・布団をかぶせすぎて圧迫感を与えないように注意しましょう。毛布などがない場合は、新聞紙やアルミ箔でおおうことも有効です。

(執筆・監修:社会医療法人恵生会 黒須病院 内科 河野 正樹)