新生児黄疸〔しんせいじおうだん〕

 ほとんどの新生児は生後2~4日ころに一時的に皮膚が黄色味をおびてきます。これが生理的新生児黄疸です。胎児期の血液がこわされてビリルビンという色素が出ることと、その色素を処理する肝臓の能力が低いために起こります。新生児早期に黄疸があらわれる病気としては、次の2つの病気があります。
□特発性高ビリルビン血症
 時にビリルビンが高値となり、治療が必要となる場合です。
□新生児溶血性疾患
 血液型にはRh式、ABO式などいろいろなタイプの分類法があります。母親がRh(-)で胎児が(+)、母親がO型で胎児がA型またはB型などの場合、母親の血液に胎児の血液をこわす抗体ができて胎児へ移行するため、赤ちゃんの血液がこわされ、貧血と黄疸があらわれます。

[治療]
 ビリルビンが多くなると、脳に入り込んで神経細胞をこわし、死にいたったり脳性まひを起こしたりします(脳内の神経細胞が集まっている核にビリルビンが沈着して黄色になるので「核黄疸」という)。
 予防のためには、蛍光管や発光ダイオード(LED)からの強い光を児に当てて、ビリルビンを分解する光療法があります。それでもビリルビンの上昇を防げないときには、児の血液を交換します(交換輸血)。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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