ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症)〔ひるしゅすぷるんぐびょう(せんてんせいきょだいけっちょうしょう)〕

[原因]
 肛門に近い部分の腸の壁の中の神経細胞が欠如しているため、そこがひろがらず便が通過しにくくなる病気です。

[症状]
 生まれたときから自然排便をすることはまれで、がんこな便秘となります。おなかがふくれたり、吐いたりすることもあります。

[診断]
 肛門から造影剤(X線に写る液体)を入れて、狭い無神経腸管とその口側の巨大結腸を確認します。また、肛門管の内圧を管を入れて測定します。

[治療]
 浣腸などで排便をコントロールし、生後3~4カ月で手術をします。手術では無神経腸管を切除し、正常腸管を肛門につけます。
 なお、ヒルシュスプルング病は国が指定する難病医療費助成制度の対象疾病(指定難病)です。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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