食道悪性黒色腫(メラノーマ)〔しょくどうあくせいこくしょくしゅ〕
食道内面は重層扁平上皮(へんぺいじょうひ)という白色調の粘膜でおおわれていますが、その粘膜基底層にわずかにみられるメラノサイトというメラニン色素を産生する細胞が悪性化したものが悪性黒色腫(メラノーマ)です。メラノサイトは皮膚に多いので悪性黒色腫は皮膚に多く発生しますが、食道にもまれですが発生します。食道悪性腫瘍のわずか0.1~0.2%の発生頻度です。通常は黒色調の腫瘍ですが、まれには無色素性のメラノーマもあります。
悪性度はきわめて高く、手術による5年生存率は約5%程度と報告されています。治療には抗がん薬やニボルマブなどの免疫チェックポイント阻害薬が保険適用になっています。放射線は治療効果が少ないといわれていますが、縮小効果がみられることがあります。
悪性度はきわめて高く、手術による5年生存率は約5%程度と報告されています。治療には抗がん薬やニボルマブなどの免疫チェックポイント阻害薬が保険適用になっています。放射線は治療効果が少ないといわれていますが、縮小効果がみられることがあります。
(執筆・監修:順天堂大学 名誉教授〔食道胃外科〕 鶴丸 昌彦)