食道腫瘍 家庭の医学

解説
 食道腫瘍のなかでもっとも多いのは食道がんです。
 ほかの悪性腫瘍としては食道がん肉腫、食道悪性黒色腫、食道平滑筋肉腫(へいかつきんにくしゅ)、食道GISTなどがありますが、食道がんにくらべると頻度は極端に少なくなります。良性腫瘍としては食道平滑筋腫が比較的多くみられます。顆粒細胞腫、血管腫、リンパ管腫も良性ですが、頻度は稀です。食道がんは食道の内腔を覆っている粘膜(上皮)から発生しますが、平滑筋腫やGIST、顆粒細胞腫などは粘膜の下の組織から発生しますので、総称して粘膜下腫瘍(SMT:submucosal tumor)ともいわれます。

(執筆・監修:順天堂大学 特任教授〔食道胃外科〕 鶴丸 昌彦)