食道がん肉腫〔しょくどうがんにくしゅ〕 家庭の医学

 腫瘍は通常1種類の組織成分から発生しますが、がん肉腫では上皮性成分(がん)と非上皮性成分(肉腫)の2細胞成分が混在しています。非上皮性の部分はがん細胞が変異したものではないかといわれています。頻度は低く、食道悪性腫瘍の約1~2%程度です。肉眼的には、茎をもった隆起型のものがほとんどです。
 がんと同じようにリンパ節などに転移を起こし、治療はリンパ節郭清(かくせい)を伴う手術が第一選択ですが、必要に応じて放射線や抗がん薬を追加します。

(執筆・監修:順天堂大学 特任教授〔食道胃外科〕 鶴丸 昌彦)