クレチン症〔くれちんしょう〕

 母親のヨード不足や先天的に甲状腺になんらかの障害があってホルモンがつくられないなどが原因です。甲状腺ホルモンは、胎児期の神経系の発達や成長期の骨の発達に重要なはたらきをしています。したがって、甲状腺ホルモンが不足すると脳の発達が不十分で知能の低下がみられたり、成長がいちじるしく低下します。
 わが国では新生児のスクリーニングがおこなわれ、早期にクレチン症の診断が可能になっています。その結果、早期治療が可能になり、クレチン症はほとんどみられなくなりました。

【参考】子どもの病気:先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)

(執筆・監修:東京女子医科大学 常務理事/名誉教授 肥塚 直美)
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