先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)〔せんてんせいこうじょうせんきのうていかしょう(くれちんしょう)〕 家庭の医学

 生まれつき甲状腺の発達がわるく、甲状腺ホルモンが十分分泌されない病気です。新生児期から症状があらわれますが、症状がはっきりせず気づかれないこともあります。
 不活発で、手足をあまり動かさず、ミルクの飲みが弱く、泣き声が弱く、便秘がちで黄疸(おうだん)が長引くなどの症状があります。乳児期には、身長の伸びの低下、知能や運動発達の遅れが出てきて、不活発であまり笑わずぼんやりしてくることもあります。
 治療は甲状腺ホルモンをのませます。生後3カ月以内に薬をのみ始めれば知能の遅れもありませんが、治療が遅れると他の症状は改善しても、知能の遅れは戻りません。
 早期発見のために、生後5日目にろ紙血を用いたマススクリーニングがおこなわれています。
 小児慢性特定疾患に指定されています。

【参照】内分泌・代謝異常の病気:クレチン症

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