免疫とは

 動物には、生まれつきもっている自分の体内にあるもの(自己)と、それ以外のもの(非自己)を区別し、非自己の物質を体外に排除して自身のからだを守ろうとするしくみがあります。ウイルス、細菌、寄生虫などの病原微生物に一度感染すると、それが記憶され、ふたたびさらされても感染・発病しなくなるのはこのしくみによるものです。
 疫病を免れるということから、このしくみを免疫といいます。免疫は病原微生物などの外来物だけではなく、がんなどの悪性新生物が体内であらたに発生しようとするときにも、これを排除するのにはたらいています。免疫反応を起こす原因物質を抗原といいます。
 予防接種は免疫反応を利用したものです。弱毒化、あるいは不活化して病原性をなくした病原微生物(ワクチン)を投与してこれに対する免疫反応を起こしておくと、本物の病原微生物にさらされても感染・発病しなくなります。

(執筆・監修:帝京大学ちば総合医療センター 第三内科〔呼吸器〕 教授 山口 正雄
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