岸田文雄首相は、現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化する時期を巡り、近く関係閣僚と協議する。2024年秋の廃止期限の延期も視野に対応を検討するとみられる。首相は8月上旬にも記者会見を開いて説明する方針だ。政府関係者が31日、明らかにした。
 首相は同日、視察先の松江市で記者団に「一体化の在り方は引き続き関係者、現場の声を聞きながら考えたい」と重ねて指摘。その上で「私も会見などで説明することを考えている」と述べた。
 首相は6月の会見で、保険証の廃止について「国民の不安払拭が大前提だ」と強調。一体化した「マイナ保険証」への切り替え後も、現行の保険証は25年秋まで使用可能と説明し、理解を求めた。
 ただ、マイナンバー制度を巡るトラブル続出は、最近の内閣支持率続落の大きな要因とみられ、与党から廃止期限の先送りを求める声が相次いでいる。
 閣僚協議ではまた、保険証代わりとなる「資格確認書」の扱いも協議。有効期限1年の見直しが論点となる見通しだ。
 閣僚協議に関し、政府高官は8月1日に行われるとの見通しを示したが、その後、別の政府関係者が「その予定は入っていない」と明言した。 (C)時事通信社