こども家庭庁は5日、子どもと接する職業に就く人に性犯罪歴がないことを確認する制度「日本版DBS」に関する報告書案を有識者会議に示した。学校や保育所などに確認を義務付け、学習塾などには自主的に確認した場合に認定する制度を設ける。確認の対象は性犯罪の前科のみとした。子どもの性被害を防ぐ対策を学校などに求める新法案にDBS創設を盛り込む方針で、今秋に想定される臨時国会にも提出する。
 DBSは英国の「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の略称。日本版でも英国の制度と同様に、子どもと接する仕事に就くことを希望する人に性犯罪歴がないことを示す証明を求める。
 報告書案によると、性犯罪歴の確認を義務付けるのは学校や保育所のほかに、認定こども園や児童養護施設、障害児入所施設など。塾やスポーツクラブ、認可外保育施設、放課後児童クラブ(学童保育)、俳優や歌手を養成する芸能事務所などは義務付けの対象外とするが、自主的に確認を行った事業者を認定する制度を設ける。
 認定を受けた事業者は国が公表する。会議に先立ち、小倉将信こども政策担当相は5日の記者会見で、「認定制度への参加を強く働き掛けることで、実質的に義務化と同程度の状況にできる」と強調した。 (C)時事通信社