厚生労働省は18日までに、医療機関の委託で医薬品や医療機器の臨床試験(治験)の支援業務を行う「メディファーマ」(東京都港区)に立ち入り検査を行い、最大123件の治験でデータ改ざんなどが確認されたと発表した。すでに承認された医薬品・医療機器計25点も含まれているが、現時点で健康被害などの報告はないという。
 厚労省によると、不正が確認されたのは医薬品で最大116件、医療機器で最大7件。同社は治験参加者の薬の投与や採血時間などのデータを改ざんしたほか、医師が受講すべき講座に社員が代理参加したり、薬の保管温度が不適切だった事実を隠したりするなどしていた。
 同省は公益通報を受け、8月下旬~9月上旬に立ち入り検査を実施し、改ざんなどを確認。実施中の治験については、適切な対応をするよう同社に指示した。一方、承認された医薬品など25点は有効性や安全性が確認できるとして、承認取り消しは行わないとしている。
 厚労省は、メディファーマが2012年の創業当初から組織的に違反を繰り返していたとみて、今後処分を検討。同社の担当者は「厚労省などと協力して、誠心誠意対応したい」と話している。 (C)時事通信社