【ニューデリー時事】インドの首都ニューデリーは13日、ヒンズー教最大の祝祭「ディワリ」から一夜明け、爆竹や花火の大量使用による白いスモッグに覆われた。ここ数日は降雨により大気汚染が改善していたが、再び悪化。住民の健康被害が懸念されている。
 当局の禁止令にもかかわらず、今年のディワリも深夜まで爆竹や花火の音が鳴り響いた。インド政府が発表する大気汚染指数は13日午前9時(日本時間午後0時半)時点で、6段階で上から2番目の「非常に悪い」を示した。要因として近郊の野焼きや排ガスも大きい。
 首都圏政府は貨物車の進入禁止や休校措置など既に実施中の対策に加え、人工的に雨を降らす初の対策も検討中だ。飛行機からヨウ化銀などの化合物を雲に散布し、雨粒の生成を促す計画で、中央政府の許可や天候の条件が整えば20日ごろの実施を見込んでいる。
 観光名所のインド門近くでウオーキングしていた政府機関勤務の男性(50)は「汚染度は昨年と同じくらい。(人工降雨は)一つのアイデアだろう。雨が降ればましになる」と語った。大気汚染を監視するスイス企業によると、昨年の世界の都市の汚染度でデリー首都圏は4番目。上位100都市のうちインドが65都市を占めた。 (C)時事通信社