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スーダン衝突激化から1カ月:栄養治療食の主要工場焼失【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会
最新情勢レポート・広報官会見内容


ポートスーダンのユニセフが支援する一時避難所で、心理社会的支援を受ける国内避難民の子ども。(スーダン、2023年5月9日撮影) (C) UNICEF_UN0841474_Satti
【2023年5月15日 東京発】

スーダンでの武力衝突が激化してから、15日で1カ月になります。今なお続く戦闘を逃れるため、子どもを含めた多くの人々が国内で、また国外に避難しており、周辺国をも巻き込む人道危機への懸念が強まっています。以下は、ユニセフ(国連児童基金)の現地における最新情勢レポートからの抜粋です。

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スーダン情勢レポート(5月11日付)
概要
戦闘により、73万人以上が国内避難民となり、17万人以上が国境を越えて主にエジプト、南スーダン、チャド、エチオピア、中央アフリカ共和国の近隣諸国へ逃れました。ハルツームなどで人道支援活動用の資産や物資が略奪され、ユニセフやパートナーの緊急支援活動が妨げられています。

ユニセフは、ポートスーダンで人々の命を守るための多部門プログラム用の60万米ドル相当の物資を2回に分けて受け取りました。さらに30万米ドル相当の物資を積んだチャーター便が1便、本日到着する予定です。効果的な緊急対応を確実に行い基本的なサービスをサポートするために、配布計画を作成中です。

ユニセフは現在、カッサラ、紅海、白ナイル、南ダルフール、東ダルフールの各地域で42のeラーニング(電子学習)センターを運営しています。これらのセンターは、子どもたちに安全で安心な学習空間を提供し、特に子どもたちの心理的・社会的なウェルビーイングを促進することに重点を置いています。

2023年に、ユニセフは最も脆弱な立場にいる子どもたち700万人以上を含む、計930万人を支援するために、5億8,460万米ドルを必要としています。また現在ユニセフは、継続する紛争の影響を受ける子どもたちとその家族の新たなニーズに対応する多部門の緊急対応を拡充するため、資金要請額を改訂している最中です。


ユニセフは、すべてのパートナーに次のことを求めます。
スーダンの子どもたち、その家族、そしてコミュニティと心を共にすること。

既存の資金を使途目的を定めず、柔軟な条件のもとに活用し、最前線に重要な支援を届けられるようにすること。

スーダンの子どもたちは、安定し平和で建設的かつ繁栄するスーダンの未来であることから、すべての子どもの権利を満たすことが緊急に必要である、と声を上げ続けること。


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カッサラ州でユニセフが支援する外来治療プログラムを受け、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を口にする子ども。(スーダン、2023年5月1日撮影) (C) UNICEF_UN0835940_Elamin
またハルツームにある栄養治療食の製造工場が焼失したことを受け、ユニセフの広報官、ジェームズ・エルダーは、5月12日にジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、以下のように発言しました。

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最も危険な栄養不良の状態に陥っているスーダンの子どもたちのための治療食を製造しているハルツームの工場が焼け落ちました。この火災により、1万4,500箱の「すぐに食べられる治療食(RUTF)」が焼失しました。これは、1万4,500人の子どもの命を守るため、スーダン各地に輸送される予定でした。

これは、この紛争がいかに子どもたちの命をさまざまな角度から脅かしているかを示す、今までで最も陰鬱で、最も明確な例です。スーダンの最も弱い立場にある子どもたちに、またもや痛烈な打撃を与えることになりました。

全焼した工場は、昨年、スーダンの重度急性栄養不良の子どもの治療に用いられた栄養治療食の60%を生産していました。この火災により、工場の設備は完全に破損し、生産は完全に停止しています。何万人もの子どもたちに栄養補給物資を適時に届けることが大きく影響を受けるでしょう。

上腕計測メジャーを使った栄養検査で、栄養不良と診断された子ども。(スーダン、2023年5月1日撮影) (C) UNICEF_UN0835933_Elamin
スーダンの栄養危機に包括的に対応するため、現在ユニセフは3万4,000箱の栄養治療食をフランスから輸送しています。今月末には、さらに8万1,000箱がフランスから送られる予定です。

関係者の勇気と決断によって、ある意味奇跡的に、外来治療プログラム(OTP)の80%が現在スーダンで稼働しています。これは、ユニセフのパートナーやスーダンの医療従事者のおかげです。

このような献身的な努力にもかかわらず、紛争は子どもたちが治療を受けることを妨げ続け、保健施設を破壊し続けています。そして今、紛争はスーダンで最も弱い立場にある子どもたちの命綱を断ったのです。





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ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い
世界中で起きている紛争や武力衝突など、人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。スーダン危機の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

1. クレジットカード/コンビニ/ネットバンクから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/humanity/ 

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「人道危機」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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