医療・医薬・福祉

生成AI等を用いた医療リアルワールドデータの収集と医療DXの加速

PRiME-R
~非構造の医療情報を生成AIにより構造化し収集、医療リアルワールドデータを用いた医療の質の向上、臨床研究や医薬品開発の促進に寄与~

 新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(本社:京都市、代表取締役社長:是川 幸士、以下「PRiME-R」)は、電子カルテに蓄積された医療情報等の非構造データに関し、生成AI等の新たな技術を用いて医療従事者の手を煩わせることなく構造化し、自社が提供するCyber Oncology(R)をはじめとするCyber Rシリーズに収集・蓄積する取り組みを進めます。こうして収集・蓄積した医療リアルワールドデータ(以下「RWD」)の活用により、医療の質の向上、臨床研究や医薬品開発の促進に寄与する考えです。


1.取り組みの背景
 PRiME-Rは、臨床現場におけるがん薬物治療に関するデータを標準化/構造化してデータベース化するCyber Oncology(R)を開発・発展させるとともに、京大病院を中心とした25医療機関が参画する「がん診療におけるリアルワールドデータ収集に関する多施設共同研究(CONNECT研究)」※1及び西日本がん研究機構による「AIによる肺癌の予後予測モデル構築に向けた多施設レジストリ研究(REAL-WIND研究)」※2などにおいて、Cyber Oncology(R)を用いた医療情報の収集を支援してきました。こうした研究の支援を通じ、全国約40施設にCyber Oncology(R)を導入し、PRiME-Rのデータセンターと接続することにより、がん診療におけるRWDの収集・利活用に資する新たな医療情報基盤※3(以下『本システム』)を確立しました。本システムにより、自医療機関内及び本システム導入医療機関全体の治療内容や有害事象情報等の分析・統計解析が可能となり、医療安全や医療技術の向上につなげることをめざしています。
 こうした取り組みを進める中、Cyber Oncology(R)をご利用いただいている医療従事者の皆さまからは、より簡便かつ効率的に、さらに精度高くRWDを収集できる機能の開発を求める声が多く寄せられています。また、医薬品開発や臨床研究において、RWD活用のニーズも高まっています。昨今の生成AIの登場とその目覚ましい技術革新は、こうしたご要望に応える可能性を有しており、医療分野における利活用の検討も盛んに行われています。PRiME-Rとしても、生成AI等新たな技術の開発とCyber Oncology(R)への実装をめざしています。

※1 がん診療におけるリアルワールドデータ収集に関する多施設共同研究(CONNECT)を開始(2021年2月26日):https://prime-r.inc/newsrelease/168/
※2 AIによる肺癌の予後予測モデル構築に向けた多施設レジストリ研究(REAL-WIND)を開始(2022年3月30日):https://prime-r.inc/newsrelease/431/
※3 がん診療におけるリアルワールドデータ収集・利活用に資する新たな医療情報基盤を確立 (2022年6月30日): https://prime-r.inc/newsrelease/463/


2.取り組みの概要
 本取り組みは、さまざまな医療情報を構造化して収集・蓄積(1.)するとともに、構造化されたRWDを患者様の治療目的での活用はもちろん、臨床研究や医薬品開発等の用途に合わせた最適な形式で活用(2.)するために、生成AI等の新しい技術の開発・導入をめざすものです。医療情報は、各医療機関において厳格に管理・運用されており、基本的に電子カルテのネットワーク外に持ち出すことはできないものであることから、ここで活用する生成AI等についても、オンプレミスで構築するなど、情報セキュリティに十分配慮した形態での利用となります。
1. データ収集・蓄積においては、電子カルテに記載されたさまざまな臨床情報から、また、患者様への説明や院 内カンファレンスにおける音声データ等から、収集すべき臨床項目に合致するデータを探索し、適切な形式で収集し構造化データとして蓄積します。さらに、収集されたデータの適正性について検証し補正すべきデータやデータ欠損についてアラートを発する等により、高品質なデータ収集を実現するとともに、データ収集に係る医療従事者の稼働を軽減します。
2. データ活用においては、RWDとして保有する治療効果や有害事象の発生状況等のAI解析に基づく診療方針案を臨床現場にフィードバックし、より良い医療の実現に貢献するとともに、各種報告等に必要となるドキュメントの自動生成を可能とすることにより、医療分野のDXに大きく貢献します。さらに、研究機関や製薬企業等の要望に基づくデータ抽出やデータ解析を効率的に行い、臨床研究や医薬品開発の促進に貢献します。
 こうした取り組みを通じ、医師及びメディカルスタッフの追加的なご負担なく、RWDを収集し、利活用するスキームを作り上げることにより、次世代医療の発展に貢献します。




3.今後の展開
 PRiME-Rは、今後も各種学会、医療従事者及び製薬企業等の皆さまとの連携・協働を進め、生成AI等の機能向上を図り、医療RWDの収集・蓄積の精度向上、医療RWD活用シーンの拡大に取り組むとともに、医療RWDの利活用にご協力いただく患者様の個人情報やプライバシーの保護など、個人の尊厳や倫理を遵守し、医療情報の適正な利活用を担保してまいります。
 また、NTTグループの一員として「データ・ドリブンによる新たな価値創造(スマートワールド)」※4を具現化する取り組みとして、医療安全や医療技術の向上、医薬品・医療機器開発の効率化等を通じ、データ利活用に基づく高度な医療サービスを享受できる社会の実現に貢献できるよう取り組んでまいります。

※4 「新中期経営戦略の公表について」(2023年5月12日):https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/05/12/230512h.html
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