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ThingBridge VISIONを活用した高齢者住宅向け体調可視化ソリューションの導入実験の開始

株式会社Agx
 株式会社Agx社(東京都)、一般社団法人ORINAS(東京都)、社会福祉法人敬友会グループホームひまわり(岡山県)、アヴニール・ワークス株式会社(東京都)は、第2回実証実験をグループホームひまわりにて開始しました。 本プロジェクトは、高齢者をはじめとした要支援者・要配慮者が居住する各種介護福祉施設や、多様な人が集う災害避難所などにおける、温度・湿度・暑さ指数の把握など、センサー装着者の身体情報の可視化からその対応を模索することを目的にし、上記各社の共同事業として行われています。 第2回実証実験においては、前回の実証実験で得た知見を元にした情報精度の向上のほか、グループホーム利用者の体表温の変化(新型コロナ感染症やインフルエンザ等の急な発熱や低体温症など)をはじめとした 、各種の情報把握による介護職員の初期対応との連携、ケアの質向上や介護職員の業務負担軽減、利用者の快適な生活環境の構築などを目的として進められています 。




グループホームひまわり(岡山県)

実証実験においての各社の役割:
株式会社Agx:IoTプラットフォーム「ThingBridge VISION」(https://thingbridge.jp/vision/)の提供
一般社団法人ORINAS: 社会福祉・介護福祉・地域福祉分野等における学術的分析及び実践援用を担当
社会福祉法人敬友会グループホームひまわり: 実証実験フィールドの提供および被験者との実験の説明と合意に関する取り纏め、装着状況等のモニタリングを担当
アヴニール・ワークス株式会社: 実証実験においての運用支援を担当

 実証実験期間:
令和5年6月2日から8月31日ごろまで
※第1回実証実験結果は以下をご参照ください。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000038068.html

1. 第2回実証実験の目的:
 第1回実証実験にて確認されたBluetoothデータ送受信時に発生したデータの欠損の改善を行い、より正確なデータ取得を行います。収集されたデータは一般社団法人ORINASによりデータ解析を行い、心身ともにリラックスして過ごせる快適な住環境の構築の研究や、利用者のよりよい生活の実現に向けて1日を通した体温の変動リズムの研究、利用者・介護者双方にとってのより良いケア環境作りの模索を行います。

2. ThingBridge VISIONについて
ThingBridge VISIONは、作業現場での作業者の状態可視化のために開発されたIoTプラットフォームです。本実証実験に向けて、高齢者グループホームでの運用を想定してのシステム改修を行い、グループホームで運用可能なシステムとしてバージョンアップしています。
ThingBridge VISIONは自動で温湿度情報を収集しWBGT近似値・温度・湿度の時系列情報を持ったヒートマップとしてレイアウト図に反映されます。また高齢者はウェアラブルバンドを装着することで皮膚温度データを収集することが可能になります。前述の温湿度のデータと皮膚温度の統計データの相関関係などを調査することで施設内においての熱中症リスクなどを判定することが可能になります。
また、ThingBridge VISIONはITに詳しくない方でも簡単に使用することを目的として開発されています。特殊なプログラムなどインストールすることなく、ブラウザがあればシステムを利用することが可能です。当システムはスマートフォンにも対応していますので、どこでも簡単に熱中症リスクについて確認することが出来ます。
参考URL:https://thingbridge.jp/vision/

3. 収集するデータ(利用するセンサーデバイス)
■使用するセンサー


■使用する通信装置

4. IoTネットワーク構成とデータ収集方法

■IoTネットワーク構成について
本実証実験においては広範囲でのBluetoothデータ取得を実現する全室用ルーターと、個室のIoTデータを集中的に収集する居室用ルーター(obniz社Gateway)をそれぞれ設置し宅内のIoTデータをもれなく収集する環境を構築しました。Agxのパートナーであるobniz社のGateway装置を居室に設置し個室のデータを確実に収集できる環境を準備致しました。またobnizのIoTプラットフォームとThingBridge VISIONの連携も実現することで、より細やかなデータ取得を実現しました。

Gatewayを含んだobnizのIoTプラットフォームの活用により、既存のシステムを活かしながらデータ収集する仕組みを2週間という短期間で実現しています。
obniz IoTプラットフォームの紹介URL:https://obniz.com/

5. 可視化されたデータ
グループホームひまわりの室内温度状況

センサーを設置した居室と食堂の温度・湿度・暑さ指数をグラフィカルに表示


※イメージ画像
入居者のリアルタイムの皮膚温度と生活空間である居室の温度・湿度などをグラフで表示

6. 取得したデータの活用方法:
現在、一般社団法人ORINASの研究担当者により、第1回実証実験で得られた利用者の体表温データと、グループホームの職員が行っている介護記録の照合を丁寧に行っています。このことにより、職員が目視で確認する利用者の睡眠状況と、体表温データとの関係性が伺える事象が見受けられており、分析と対応の模索が進められています。
第2回目の実証実験における詳細なデータの収集は、これらの分析をより補強することに繋がることが予想され、学術的にも期待が寄せられています。
また、これらの研究は、将来的に薬に頼らない安心で安全なケア、日中も穏やかで安定した利用者の生活環境の構築、介護職員の負担軽減(特に夜勤)などに結びつくきわめて重要なことに繋がるものと考えています。さらに、災害避難所における要配慮者等への早期対応、医療機関等への連携など、多様な可能性の展開が期待されています。

7. 今後の展望
本実証実験期間中に体温計・血圧計との機能連携の実現可能性についても調査を行います。検温時に測定する入居者の体温と血圧情報を自動的にクラウドでデータ収集を行い、それぞれのデータの平均値を求めたいと考えています。これにより日々の測定において、測定者の当日の体温と血圧情報が例えば過去7日間のその測定者の平均値と大きく乖離があるような場合にはアラートを発信するなどの使い方が想定されます。
2023年中のサービスリリースを予定しています。


8. サービスの発表・デモンストレーションについて
 ThingBridge VISIONを活用した作業現場や、高齢者施設においての環境の可視化やバイタル情報の取得システムを猛暑対策展(https://www.jma-stt.com/exhibition/tokyo.html)東京ビックサイト 東6ホール 【6C-14】ブースにて展示致します。

(注)本実証実験を開始するにあたり、グループホームひまわりの利用者及びその家族に対し、実証実験の目的やデータの収集方法、プライバシーへの配慮などを文書及び口頭にて家族及び本人へ代理説明、同意書の提出をもって実験への賛同を得ました。また、倫理的配慮については、得られたデータは匿名化し個人情報保護士の指示による情報管理の徹底、分析結果等は学術的活動など研究等の目的以外の使用はしないこと、実験の参加は任意性を有し、参加表明後の撤回も可能であること、撤回や不参加についての不利益がないことの約束を行い、合わせて同意を得ました。
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