微生物によるものづくりを加速させる多次元・ハイスループット・スクリーニング・システムの開発に着手
株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
~大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング~
2023年 10月20日
金沢工業大学
株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
微生物によるものづくりは医薬品や食品の製造には欠かすことのできない技術となっています。加えて近年の遺伝子解析技術、ゲノム編集技術、合成生物学の進展と、SDGs、環境意識の高まりにより、微生物によるものづくりの適用範囲は今後さらに拡大していくものと予想されます。 一方、現行のスクリーニング法(微生物の選別プロセス)では、必要な手間やスペースが膨大で、かつ設定できる条件の数に限界があることから、実産業応用に至る有用微生物の数はほんのわずかであるのが実情です。
この問題を解決するために提案した以下の課題が、この度、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の「研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(本格型)」に採択されました。この「大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング」を可能とする「多次元・ハイスループット・スクリーニング・システム」の開発に着手したことをご報告いたします。
採択テーマ:大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング
開発期間:2023年10月1日 ~ 2027年3月31日
助成金額:2億2400万(限度額)
実施機関:金沢工業大学 町田 雅之 教授(研究代表)金沢工業大学ゲノム生物工学研究所 所長
(株)オンチップ・バイオテクノロジーズ 代表取締役社長 小林雅之(事業化担当)
東北大学 阿部 敬悦 教授
九州大学 神谷 典穂 教授
他、事業会社1社
数十マイクロメートルの微小液滴であるドロップレットは、その内部に様々な物質を封入したまま様々な操作が可能であり、独立した微小培養区画として用いることができます。その特徴を生かしたドロップレット法によるスクリーニングは、従来法と比べて大幅な省スケール化と大規模化、ハイスループット化を実現しました。
オンチップ社はこれまで、マイクロ流路技術によるドロップレットの大量生成技術とその高速解析技術を提供することで、様々な先端研究のサポートを行ってまいりました。加えてその発展のために数多くの共同研究も行っており、その成果も 高い評価を得ております。その一つが以下のA-STEP育成型で、ここでの成果を社会へと還元するための開発が「多次元・ハイスループット・スクリーニング・システム」となります。
JST A-STEP育成型
「GMDによる迅速・低コストな汎用高生産変異株スクリーニング技術の開発」
研究代表: 金沢工業大学 町田雅之教授
開発期間: 2021年12月から2023年3月
【これまでの成果】
金沢工業大学では、上記のA-STEP育成型等を通じて、従来は困難であったゲルマイクロドロップ(GMD)による化合物の生産向上細胞のスクリーニングを可能にしました。また、この技術を用いて酵素の活性による生産向上も実現しました。さらに、これらの技術を用いることで、βガラクトシダーゼやトリプトファンなど産業的に重要な物質の生産向上が可能であることを示しました。
【本開発の概要】
オンチップ社のドロップレット大量生成技術、高速解析技術によって実現したドロップレット法を基本に、金沢工業大学のレポーター細胞によるバイオセンシング及び複数の条件の同時評価法の検討、東北大学によるゲルマイクロドロップレット中での糸状菌培養の検討、九州大学によるゲルドロップレット材料の最適化を行い、産業ニーズと実現場を踏まえた「大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング」を可能とする「多次元・ハイスループット・スクリーニング・システム」の実現を目指します。
今後ますます多様化するバイオものづくりのニーズに対し、柔軟かつ迅速に対応できる本スクリーニング技術は、幅広い分野での「バイオによるものづくり」の加速と普及に貢献できるものと考えております。
[お問い合わせ先]
株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
東京都小金井市中町2‐16‐17
TEL: 042-385-0461 (社長室宛)
e-mail: info@on-chip.co.jp
https://on-chip.co.jp/
学校法人金沢工業大学 企画部広報課
担当:志鷹英男
住所:石川県野々市市扇が丘7-1
TEL:076-246-4784 携帯電話:090-8093‐6516
e-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp
【用語説明】
ドロップレット:直径数十 µm程度の球状の水滴。1つ1つが周りがオイルで囲まれているため独立した微小培養区画として用いることができる。
ハイスループット化:高速に実行可能にすること。
マイクロ流路技術:髪の毛の太さ程度の50~100 μmの流路を用いて、サンプルを流し、分析等を行うもの。非常に小さなサンプルや少ないサンプル量を高速、高精度で分析することができる。オンチップ社はマイクロ流路中で、ドロップレットを大量に作成する技術や、マイクロ流路中の細胞やドロップレットを解析・分離する技術を有している。
レポーター細胞:周囲の環境によって計測可能な応答をする細胞。ここでは、特定の化合物の濃度に応じて蛍光を発する細胞を指す。
バイオセンシング:生物あるいはその機能を用いてに検知すること。ここでは、レポーター細胞を用いて化合物を検知することを指す。
ゲルマイクロドロップレット:上記ドロップレットにアガロース(寒天の主要な成分)などを添加することで、水溶液を含んだ状態で固化した微粒子。
ゲルドロップレット材料:上記ゲルマイクロドロップレットを作製するための材料(例:アガロース)。
GMD:ゲルマイクロドロップレットの略称
以上
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~大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング~
2023年 10月20日
金沢工業大学
株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
微生物によるものづくりは医薬品や食品の製造には欠かすことのできない技術となっています。加えて近年の遺伝子解析技術、ゲノム編集技術、合成生物学の進展と、SDGs、環境意識の高まりにより、微生物によるものづくりの適用範囲は今後さらに拡大していくものと予想されます。 一方、現行のスクリーニング法(微生物の選別プロセス)では、必要な手間やスペースが膨大で、かつ設定できる条件の数に限界があることから、実産業応用に至る有用微生物の数はほんのわずかであるのが実情です。
この問題を解決するために提案した以下の課題が、この度、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の「研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(本格型)」に採択されました。この「大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング」を可能とする「多次元・ハイスループット・スクリーニング・システム」の開発に着手したことをご報告いたします。
採択テーマ:大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング
開発期間:2023年10月1日 ~ 2027年3月31日
助成金額:2億2400万(限度額)
実施機関:金沢工業大学 町田 雅之 教授(研究代表)金沢工業大学ゲノム生物工学研究所 所長
(株)オンチップ・バイオテクノロジーズ 代表取締役社長 小林雅之(事業化担当)
東北大学 阿部 敬悦 教授
九州大学 神谷 典穂 教授
他、事業会社1社
数十マイクロメートルの微小液滴であるドロップレットは、その内部に様々な物質を封入したまま様々な操作が可能であり、独立した微小培養区画として用いることができます。その特徴を生かしたドロップレット法によるスクリーニングは、従来法と比べて大幅な省スケール化と大規模化、ハイスループット化を実現しました。
オンチップ社はこれまで、マイクロ流路技術によるドロップレットの大量生成技術とその高速解析技術を提供することで、様々な先端研究のサポートを行ってまいりました。加えてその発展のために数多くの共同研究も行っており、その成果も 高い評価を得ております。その一つが以下のA-STEP育成型で、ここでの成果を社会へと還元するための開発が「多次元・ハイスループット・スクリーニング・システム」となります。
JST A-STEP育成型
「GMDによる迅速・低コストな汎用高生産変異株スクリーニング技術の開発」
研究代表: 金沢工業大学 町田雅之教授
開発期間: 2021年12月から2023年3月
【これまでの成果】
金沢工業大学では、上記のA-STEP育成型等を通じて、従来は困難であったゲルマイクロドロップ(GMD)による化合物の生産向上細胞のスクリーニングを可能にしました。また、この技術を用いて酵素の活性による生産向上も実現しました。さらに、これらの技術を用いることで、βガラクトシダーゼやトリプトファンなど産業的に重要な物質の生産向上が可能であることを示しました。
【本開発の概要】
オンチップ社のドロップレット大量生成技術、高速解析技術によって実現したドロップレット法を基本に、金沢工業大学のレポーター細胞によるバイオセンシング及び複数の条件の同時評価法の検討、東北大学によるゲルマイクロドロップレット中での糸状菌培養の検討、九州大学によるゲルドロップレット材料の最適化を行い、産業ニーズと実現場を踏まえた「大量の微小培養区画を用いたタンパク質高生産微生物のスクリーニング」を可能とする「多次元・ハイスループット・スクリーニング・システム」の実現を目指します。
今後ますます多様化するバイオものづくりのニーズに対し、柔軟かつ迅速に対応できる本スクリーニング技術は、幅広い分野での「バイオによるものづくり」の加速と普及に貢献できるものと考えております。
[お問い合わせ先]
株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
東京都小金井市中町2‐16‐17
TEL: 042-385-0461 (社長室宛)
e-mail: info@on-chip.co.jp
https://on-chip.co.jp/
学校法人金沢工業大学 企画部広報課
担当:志鷹英男
住所:石川県野々市市扇が丘7-1
TEL:076-246-4784 携帯電話:090-8093‐6516
e-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp
【用語説明】
ドロップレット:直径数十 µm程度の球状の水滴。1つ1つが周りがオイルで囲まれているため独立した微小培養区画として用いることができる。
ハイスループット化:高速に実行可能にすること。
マイクロ流路技術:髪の毛の太さ程度の50~100 μmの流路を用いて、サンプルを流し、分析等を行うもの。非常に小さなサンプルや少ないサンプル量を高速、高精度で分析することができる。オンチップ社はマイクロ流路中で、ドロップレットを大量に作成する技術や、マイクロ流路中の細胞やドロップレットを解析・分離する技術を有している。
レポーター細胞:周囲の環境によって計測可能な応答をする細胞。ここでは、特定の化合物の濃度に応じて蛍光を発する細胞を指す。
バイオセンシング:生物あるいはその機能を用いてに検知すること。ここでは、レポーター細胞を用いて化合物を検知することを指す。
ゲルマイクロドロップレット:上記ドロップレットにアガロース(寒天の主要な成分)などを添加することで、水溶液を含んだ状態で固化した微粒子。
ゲルドロップレット材料:上記ゲルマイクロドロップレットを作製するための材料(例:アガロース)。
GMD:ゲルマイクロドロップレットの略称
以上
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(2023/10/20 13:30)
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