丸紅、エーザイなどによるマラリアの治療薬開発に約13億円を投資
GHIT Fund
GHIT Fundとして初めて総合商社および中国の製薬企業へ投資を決定、後期臨床試験への投資で新薬開発を加速化
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は、マラリアおよびシャーガス病に対する3件の治療薬開発プロジェクトに約13億円の投資を決定したことを発表いたします。*1
マラリアは、世界で年間約2億5,000万人が罹患し、2021年には約62万人が死亡している感染症です*2。アフリカ地域は世界のマラリア症例の95%を占め、5歳未満の子どもがこの地域におけるマラリアによる死者数の80%を占めています。GHIT Fundは創設以来、世界の貧困層の健康を脅かすマラリアを含む顧みられない感染症と闘うため、日本の技術およびイノベーションと海外の機関との連携を促進し、新薬などの研究開発に投資を行ってきました。このたびの投資は、GHIT Fundとして初めて総合商社と中国への製薬企業に対して投資を行い、後期臨床試験への投資にも注力することで、新薬開発を加速していきます。
総合商社と中国の製薬企業へ初の投資 − 第III相試験段階にある新規マラリア治療薬開発を推進
GHIT Fundは、丸紅株式会社、中国の大手製薬・ヘルスケア企業である上海復星医薬(集団)股份有限公司(FOSUN PHARMA)、タイの熱帯医学の共同研究機関であるマヒドン・オックスフォード熱帯医学研究ユニット、スイスに本部を置く医薬品開発パートナーシップであるMedicines for Malaria Venture (MMV)が共同で進める、マラリアに対するアルテミシニン誘導体を組み合わせた三剤併用療法の第III相臨床試験のプロジェクトに約5億円の投資を決定しました。総合商社と中国の製薬企業への投資はいずれもGHIT Fundとして今回が初めてとなります。本プロジェクトにより、東南アジアの大メコン圏*3やルワンダ、ウガンダを含むアフリカ諸国で広く問題となっているアルテミシニン部分耐性(ART-R)を防ぐことで、公衆衛生上の大きな効果が期待されています。また重要な点として、マラリア患者の多くが小児であることから、本プロジェクトは小児用製剤の開発も含まれています。
三日熱マラリアの根治を目的とした経口マラリア治療薬の第IIb相試験に約8億円の投資
エーザイ株式会社およびケンタッキー大学が共同で進める、三日熱マラリアの根治を目的とした治療薬開発に約8億円の投資を行います。抗マラリア薬の候補化合物であるSJ733は、単独投与による第IIa相試験まで完了しており、三日熱マラリアの感染に対し有効性、忍容性等が示されています。このたびの投資によって、SJ733と既存薬タフェノキンとの併用療法による治療期間の短縮を目指します。
GHIT Fund CEOの國井修は、「丸紅とFOSUN PHARMAが新しく製品開発パートナーとして参画することに大きな期待を寄せています。後期臨床試験段階にあるマラリアの新薬開発への投資によって製品化が前進することは重要なステップとなります。5歳未満の子どものマラリアの感染者数・死者数は喫緊の課題であり、幼児におけるマラリアの負荷を軽減できれば、世界的にも大きな貢献になります」と述べています。
その他、長崎大学とDrugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)の共同開発であり、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)の一つであるシャーガス病の治療薬開発のためのスクリーニングプロジェクトに約1,600万円の投資を行います。
2023年12月14日時点で、50件のプロジェクトが進行しており、内訳として、19件の標的・探索研究、18件の非臨床試験、13件の臨床試験*4となります。(別紙2)GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約316億円となります。
別紙は以下のリンクよりご覧ください。
https://prtimes.jp/a/?f=d120361-11-c6b702a0e69ba351388cdad0a6217618.pdf
注記
*1これらの案件は、2022年11月~2023年7月にかけて実施した公募RFP2023-001(製品開発プログラム、スクリーニングプログラム)の中から選定され、承認されたものです。
*2 WHO(世界保健機関)https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/malaria 参照
*3 メコン川流域のカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイ、中国(雲南省、広西チワン族自治区)から構成される。
*4 薬事申請の段階にある案件を含みます。診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。
【注意事項】
1. GHIT Fundでは、製品開発案件に対して「助成」することを、「投資」と表現しています。製品開発に対して資金提供だけを行うのではなく、積極的に進捗管理に関与し、成果が見込めないプロジェクトについては直ちに中止するなど、厳格なポートフォリオ・マネジメントを行っています。一般的に用いられる、金銭的利益を目的とした「投資」とは意味合いが異なります。
2. 「継続投資」とは、過去にGHIT Fundから投資を受けている製品開発パートナーが、GHIT Fundから新たな投資を受ける際に用いることを指します。
3. 本プレスリリースの別紙2に記載した各プロジェクト概要は、製品開発パートナーがGHIT Fundに提出した資料から該当箇所を抜粋したものです。詳しくは、GHIT Fundのウェブサイトを御覧ください。
【グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民ファンドです。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資、ならびにポートフォリオ・マネジメントを行っています。治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、GHIT Fundは日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進しています。詳しくは、https://www.ghitfund.org/jpをご覧ください。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
GHIT Fundとして初めて総合商社および中国の製薬企業へ投資を決定、後期臨床試験への投資で新薬開発を加速化
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は、マラリアおよびシャーガス病に対する3件の治療薬開発プロジェクトに約13億円の投資を決定したことを発表いたします。*1
マラリアは、世界で年間約2億5,000万人が罹患し、2021年には約62万人が死亡している感染症です*2。アフリカ地域は世界のマラリア症例の95%を占め、5歳未満の子どもがこの地域におけるマラリアによる死者数の80%を占めています。GHIT Fundは創設以来、世界の貧困層の健康を脅かすマラリアを含む顧みられない感染症と闘うため、日本の技術およびイノベーションと海外の機関との連携を促進し、新薬などの研究開発に投資を行ってきました。このたびの投資は、GHIT Fundとして初めて総合商社と中国への製薬企業に対して投資を行い、後期臨床試験への投資にも注力することで、新薬開発を加速していきます。
総合商社と中国の製薬企業へ初の投資 − 第III相試験段階にある新規マラリア治療薬開発を推進
GHIT Fundは、丸紅株式会社、中国の大手製薬・ヘルスケア企業である上海復星医薬(集団)股份有限公司(FOSUN PHARMA)、タイの熱帯医学の共同研究機関であるマヒドン・オックスフォード熱帯医学研究ユニット、スイスに本部を置く医薬品開発パートナーシップであるMedicines for Malaria Venture (MMV)が共同で進める、マラリアに対するアルテミシニン誘導体を組み合わせた三剤併用療法の第III相臨床試験のプロジェクトに約5億円の投資を決定しました。総合商社と中国の製薬企業への投資はいずれもGHIT Fundとして今回が初めてとなります。本プロジェクトにより、東南アジアの大メコン圏*3やルワンダ、ウガンダを含むアフリカ諸国で広く問題となっているアルテミシニン部分耐性(ART-R)を防ぐことで、公衆衛生上の大きな効果が期待されています。また重要な点として、マラリア患者の多くが小児であることから、本プロジェクトは小児用製剤の開発も含まれています。
三日熱マラリアの根治を目的とした経口マラリア治療薬の第IIb相試験に約8億円の投資
エーザイ株式会社およびケンタッキー大学が共同で進める、三日熱マラリアの根治を目的とした治療薬開発に約8億円の投資を行います。抗マラリア薬の候補化合物であるSJ733は、単独投与による第IIa相試験まで完了しており、三日熱マラリアの感染に対し有効性、忍容性等が示されています。このたびの投資によって、SJ733と既存薬タフェノキンとの併用療法による治療期間の短縮を目指します。
GHIT Fund CEOの國井修は、「丸紅とFOSUN PHARMAが新しく製品開発パートナーとして参画することに大きな期待を寄せています。後期臨床試験段階にあるマラリアの新薬開発への投資によって製品化が前進することは重要なステップとなります。5歳未満の子どものマラリアの感染者数・死者数は喫緊の課題であり、幼児におけるマラリアの負荷を軽減できれば、世界的にも大きな貢献になります」と述べています。
その他、長崎大学とDrugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)の共同開発であり、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)の一つであるシャーガス病の治療薬開発のためのスクリーニングプロジェクトに約1,600万円の投資を行います。
2023年12月14日時点で、50件のプロジェクトが進行しており、内訳として、19件の標的・探索研究、18件の非臨床試験、13件の臨床試験*4となります。(別紙2)GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約316億円となります。
別紙は以下のリンクよりご覧ください。
https://prtimes.jp/a/?f=d120361-11-c6b702a0e69ba351388cdad0a6217618.pdf
注記
*1これらの案件は、2022年11月~2023年7月にかけて実施した公募RFP2023-001(製品開発プログラム、スクリーニングプログラム)の中から選定され、承認されたものです。
*2 WHO(世界保健機関)https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/malaria 参照
*3 メコン川流域のカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイ、中国(雲南省、広西チワン族自治区)から構成される。
*4 薬事申請の段階にある案件を含みます。診断薬開発において、途上国における 患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱う。
【注意事項】
1. GHIT Fundでは、製品開発案件に対して「助成」することを、「投資」と表現しています。製品開発に対して資金提供だけを行うのではなく、積極的に進捗管理に関与し、成果が見込めないプロジェクトについては直ちに中止するなど、厳格なポートフォリオ・マネジメントを行っています。一般的に用いられる、金銭的利益を目的とした「投資」とは意味合いが異なります。
2. 「継続投資」とは、過去にGHIT Fundから投資を受けている製品開発パートナーが、GHIT Fundから新たな投資を受ける際に用いることを指します。
3. 本プレスリリースの別紙2に記載した各プロジェクト概要は、製品開発パートナーがGHIT Fundに提出した資料から該当箇所を抜粋したものです。詳しくは、GHIT Fundのウェブサイトを御覧ください。
【グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】
公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民ファンドです。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資、ならびにポートフォリオ・マネジメントを行っています。治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、GHIT Fundは日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進しています。詳しくは、https://www.ghitfund.org/jpをご覧ください。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
(2023/12/14 13:00)
- データ提供
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。