夫婦で行う台湾式産後ケアを取り入れた産後ケアホテル『Coral Sango Saron』。楽しく育児が行える環境整備と産後の社会問題改善への取り組みについて語る。

iilu株式会社は、台湾では一般的になっている産後ケア専門の宿泊施設を江戸川区平井に2023年10月にオープン致しました。異⽂化の⽇本で出産経験をした台湾⼈ママ、⽇々仕事と育児を奮闘している⽇本⼈パパ、産後ケアに対する愛と情熱を持つ助産師、それぞれの思いがある3⼈がチームを立ち上げ構想から実現するまでアイデアを出し合い、産後の家族みんなが笑顔になれる産後ケアホテル『 Coral Sango Salon 』を開業しました。


新たな命を迎え入れたご家族が幸せな暮らしのスタートを切るため、台湾式のケアを取り入れ、産後の心身の疲労回復や、妊娠も出産も頑張ったママへのご褒美、ママ・赤ちゃんだけではなく専門家によるパパへのサポートも行っております。


海の中の珊瑚のように、産後のご家族へ安らぎと栄養を・・・


このストーリーではCoral Sango Salonに込めた思いや魅力を、2児の父でもある代表の飯村亮平がお伝え致します。


「パパにも育児に参加できる環境を作りたい」という思いが自分を動かした

台湾人の妻(現:運営責任者飯村ゆち)は、日本という異国の地での出産を2度経験し、日本での出産後のサポートの少なさを痛感しました。特に第一子出産の際はコロナ禍だったこともあり、立ち合いが出来ず一人でお産に立ち向かう恐怖や、出産直後より容赦なく始まる育児に想像を絶する大変さを思い知ったと後に聞きました。

 

また、妻の故郷である台湾の産後の多くは産後ケアホテルで過ごすということを聞きました。台湾では出産が分かったタイミングでどこの産後ケアにするのか、親戚に聞かれるほど当たり前のように利用しているというのです。妻の希望もあり、当時関東圏内唯一の産後ケアホテルを利用し、初めて具体的に何をする場所なのか、知りました。しかしそこでは、ママへのケアは手厚くありましたが、パパとして何か特別に得られるものは特にありませんでした。他にも交通の便から仕事終わりで気軽に宿泊しに行くことが難しく、結局妻一人で生まれたばかりの我が子と向き合うことになってしまい辛い思いをさせてしまいました。

そのため自宅でできることは何かを考え、まずは沐浴、ミルク、おむつ替えなど一般的にできることからスタートしたところ、家庭内における自分の役割が明確になりました。何より一番大きな結果は、二人で行うことによる「時間の余裕」「楽しさだけでなく大変さを共有」「子供からのパパママ偏りのない信頼感」を得られたことです。これらの経験から、もっとパパが産後から育児に参加できる環境を作れば、私と同じように幸せを感じられることができるのでは?と思い、本事業を計画しました。 

現在では、関東でも数件産後ケアホテルは展開されておりママへの産後ケア文化は、少しずつではあるものの浸透して来ている状況です。また男性の育児休暇取得率が上昇し、新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務が推奨される風潮も追い風となり、私同様出産を迎えるママと産後育児に参加したいという意気込むパパたちも多くいるのではないでしょうか。このような思いを込め、Coral Sango Salonはパパとママ二人で同じ子育てをモチーフに、ファミリーでご宿泊頂ける施設を目指し話し合いを進めました。


悩みを抱えていた行政の後押しが産後ケア施設開業へと発展

具体的なサービスは、まず知識経験のないパパに、これから始まる育児にどう向き合えば良いのか、赤ちゃんの日常に触れ合うカリキュラムを助産師と取り組んでいただきます。更にママへのケアも当然重要になるため、リラックスできる客室完備、リラクゼーションの提供、赤ちゃんの24時間管理、産後の健康を考慮した食事の提供をご用意しております。


今後、パパ、ママそれぞれが育児に参加できる風潮を促すべく、その環境づくりとして更なる施設展開を計画しております。現ホテル以上の客室数、ゆとりをもった客室の広さやベビー室、それから第一子のお子様も気兼ねなく連れてこれる施設としてレクリエーションルームの設置など、規模も拡大させたうえで展開して行く所存です。

また、ホテル開業にあたり江戸川区へも相談に行き話しを伺うと、江戸川区も産後ケア施設不足に悩んでいたとのことでした。江戸川区の産後ケア施設第一号として開業してほしいといった言葉を頂き、開業にむけて背中を押されたことを覚えています。

社会課題である少子化、その解決の施策である男性育児取得率の向上について、当社の施設が起爆剤となれるよう邁進出来ればと考えております。また私たちは⺟体の回復とご家族での育児を専⾨家がサポートし安らぎを提供することで産後の家族みんなが笑顔になれるではないかと考えています。


今後は楽しく育児が行える環境作りと情報発信・共有の場にしたい

このような話し合いを重ね、実際にホテルの準備に取り掛かりました。オープンするにあたり、ホテルのリノベーションや新生児とその家族を迎えるために必要な設備や物品(ベビーベッドやAIカメラなど)の準備にかかる費用は大きく圧倒的な資金不足の壁にぶつかりました。そこで少しでも宿泊の質をあげられるよう、クラウドファンディングを行い多くの方にご支援をいただくことができました。そのおかげもあり、当初の予定通り2023年10月にCoral Sango Salonをオープンしました。




 オープン当初は産後ケアに対する認知度も低くなかなか軌道に乗ることが出来ませんでした。しかし、チームで協力し江戸川区主催のイベントに参加しまずは近隣住民への認知拡大に勤めました。また、江戸川区平井だけでなくさらに広い範囲の方々にホテルの魅力を伝えるためインスタグラムを開設し発信を続け少しずつお客様がご利用して下さるようになりました。


利用者の多くは核家族であり、産後初めて何も考えずゆっくり眠れた。自分の時間を過ごすことが出来た、ワークショップに参加し他のママたちとお話しすることでリフレッシュすることが出来たなどパパ、ママ双方より嬉しいお言葉を頂けております。お客様の中にはSNSで投稿して下さる人も多く、コメントには産後ケアホテルを知らない人もまだまだ多くいらっしゃるようでした。産後辛い思いをする家族が少しでも減り楽しく育児に向き合える環境づくりのお手伝いができるよう、今後もさらに活動を拡大していきたいと思います。







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