“希少疾患”をもつ私たちに世界の仲間を。国内外の患者会や多職種が協働し、患者を取り巻く医療の発展を支える非営利団体のストーリー
特定非営利活動法人膠原病・リウマチ・血管炎サポートネットワーク〈膠サポ〉は、病気をもつひとだけでなく、家族や医療従事者、研究者たちや、企業で働く人々が、同じフロンティアを見つめながら、それぞれの“困った”を解決するために力を合わせて活動している非営利団体です。
”国境を超えて同じ境遇にあるひと同士がつながり 、「患者支援の拡充」と「医学の進歩」を後押しする”。こんな目標を掲げて患者ー医療従事者の協働や、国際交流の活動を行ってきた、私たちのストーリーをお伝えします。
“難病”になったことで妊娠出産に不安をもつ方へ、視覚的でわかりやすい「妊娠出産ハンドアウト」を制作
例えば研究者×患者の協働。
膠原病をもつ若い女性の中には“難病”になったことで妊娠出産に不安をもち、将来を悲観してつらい毎日を送っているひともいます。そこで私たちは、厚生労働省難治性血管炎班の先生たちとの共同で、海外の患者団体が作った「妊娠出産ハンドアウト」の日本語バージョンを作成しました。患者・医療従事者が協働する機会はまだまだ少ない日本の中で、医療従事者と患者がお互いの声を積極的に患者の声を汲み取り、協働作業が繰り広げられました。こうして作られた「妊娠出産ハンドアウト」は、日頃から私たちが悩まされている難しい医学用語をできる限り少なくし、「視覚的でわかりやすいツール」として完成しました。このハンドアウトを使うことで、妊娠出産を希望する患者が医療者と率直に話すことができます。妊娠出産に対する過度な不安を取り除くだけでなく、生まれてくる子どもの健康にも役立てることができるのです。
最も大きな学会のひとつであるアメリカリウマチ学会が日本の団体設立を評価
2023年5月に特定非営利活動法人膠原病・リウマチ・血管炎サポートネットワーク<膠サポ>が開催した、全身性エリテマトーデスの啓発活動では、インドネシアの患者代表との出会いがありました。
世界中の医療者が集まる国際血管炎会議では「妊娠出産ハンドアウト」を作成した日本の協働作業について報告しました。同じ時期に、リウマチ医学界では最も大きな学会のひとつであるアメリカリウマチ学会が行われました。「患者の声」のセッションでは、お互いの立場を超えて多様性を尊重して支え合う団体が、日本にも生まれたことが報告されました。この報告では「川崎病」を発見した川崎医師をはじめとした日本の医師たちが、懸命に患者の治療にあたってきたことや、国民性によって日本ならではの信頼関係が育まれている様子が報告され、観衆からのスタンディングオベーションが沸き起こりました。
https://acrabstracts.org/abstract/toward-a-frontier-beyond-the-barriers-of-position-and-prejudice/
アメリカリウマチ学会に膠サポのブース出展、国籍や立場を超えた関係の構築へ
アメリカリウマチ学会では、日本の患者団体として初めてとなるブース出展が行われました。ブースに立ったスタッフたちは日本という文化の中で懸命に生きる患者たちのメッセージを伝えました。たくさんの方から応援の声をいただき、国籍や立場を超えた関係が築かれつつあります。2024年4月には、2年に1度行われる、国際血管炎ワークショップに参加します。私たちはアメリカ・アジア・ヨーロッパを含めたたくさんの国に住む患者会の人々とつながることをめざしています。
難病をもつひと。そして、難病をもつ子どもとその保護者への支援を!
難病患者の複雑な経験は、なかなか周りの人には理解できません。言葉にできない苦しみをもつことで難病のもつひとの孤立感は強まります。品川区では区民活動助成によって「膠原病の交流会」が開催されました。この活動をもとに鹿児島での交流会などに活動の場が広がり、多くのひとに支援を届けています。
「移行期支援」という言葉がいろいろな病気をもつ子どもたちの課題として聞かれるようになりました。なかでも難病をもつ子どもたちの移行期には、病気のこと、社会生活のこと、就職のこと、など多岐にわたる課題が待ち受けています。悩んでいるのは子どもだけではありません。成長を見守る保護者もまた、子どもの成長を案じて生活を送っています。私たちは「子どもが輝く東京・応援事業」の一環として膠原病をもつ子どもたちとその保護者を対象に「みらいプログラム」を開催します。ここには小児科医や内科医はもちろん、薬剤師、ソーシャルワーカー、心理専門家、先輩患者、先輩保護者など多くの方々が参画しています。多職種協働で活動するわたしたちだからこそ、実現できる取り組みなのです。
膠原病をとりまくあらゆる立場のひとの幸せを目指す
病気に挑んでいるのは患者だけではありません。家族・学校の先生など、生活をとりまく人々をはじめ、治療に当たる医師・研究者・企業の人々も、懸命に目の前の課題に向き合っています。
患者が医療関係者を応援することで 医学の進歩に力を与える。そんな動きが世界中で起こっています。私たちは海外の患者会や医療関係者とつながるだけでなく、そこから多くのことを学び、患者をとりまく医療の発展を支える患者団体になることをめざしています。ぜひ、私たちの活動を応援してください。
■〈膠サポ〉に参加しよう
膠原病関連疾患、リウマチ系疾患、血管炎症候群をもつひとやその家族、医療従事者、教育関係者、その他の専門職や企業の方々が〈膠サポ〉メンバーとして登録し、イベントに参加したり、スタッフとして活動しています。ぜひ膠サポメンバーになって、あなたの望む形で〈膠サポ〉活動にご参加ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSexDh5-ZNuSm_bGOTmRbI0lAzr9cNsvMP1QSRtfpcvtaKev7Q/viewform(膠サポメンバー登録はこちら)
■ご寄付のお願い
患者さんから会費をいただかず、皆さまからの寄付金・助成金によって活動しています。わたしたちの活動のためにぜひご寄付をお願いたします。
https://congrant.com/project/kosapo/7875 (ご寄付はこちらから)
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
特定非営利活動法人膠原病・リウマチ・血管炎サポートネットワーク
https://www.rheumatic-disease-community.org/
〒141−0031 東京都品川区西五反田1丁目26-2五反田サンハイツビル911
E-mail :info@kosapo.org
お問い合わせ:〈膠サポ〉事務局
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(2024/02/06 07:30)
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