慶應イノベーション・イニシアティブから第三者割当増資により資金調達を実施
株式会社PURMX Therapeutics
各位
2024年5月7日
株式会社PURMX Therapeutics
代表取締役社長 田原 栄俊
問い合わせ先:IR@mirx.jp
株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス、本社:広島市、代表取締役社長:田原栄俊、以下「当社」)は、KII3号インパクト投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を行ったことを報告いたします。今回の第三者割当増資により PURMX Therapeutics の累計調達額は総額約12 億円(7.8 MUSD)となります。
当社は、臨床ステージにある創薬ベンチャーです。広島大学の技術である、未修飾の天然型マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬の研究開発パイプラインを複数有していますマイクロRNAは生物の中で自然に作られる核酸の一種であることから、未修飾のマイクロRNAは他の核酸医薬より安全性が高いことが期待されます。また、標的とする遺伝子が複数であることが特徴であることから他の核酸医薬より高い有効性が期待されます。リードパイプラインであるMIRX002に関しては、現在、悪性胸膜中皮腫の患者を対象とした第I相臨床試験を広島大学病院、近畿大学病院、兵庫医科大学において医師主導治験(治験調整医師代表 広島大学病院呼吸器外科 岡田守人教授)として実施中です。
現時点までに、マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬について臨床試験のフェーズまで開発を進めている例は世界的にも限られており、ファーストインヒューマン治験を実施した核酸医薬開発品としては、当社のMIRX002が日本において初めての例になります。これまでの他社による異なるマイクロRNAの臨床試験で高い特性が示されたことから、我々はファーストインヒューマン試験を局所投与で行うこととしました。
MIRX002は、広島大学が有する独自の機能性RNAスクリーニングプラットフォームにより見いだされた強力な抗腫瘍効果を有するマイクロRNA(miR-3140-3p)とペプチド性核酸保護担体A6Kとを組み合わせることで、革新的でユニークな新規モダリティの開発パイプラインとして創出されました。MIRX002は、世界初のマイクロRNA医薬品として薬事承認を取得する可能性を有しています。
当社は今後、MIRX002の開発をさらに進めるため、悪性胸膜中皮腫以外のがん種に対しても適応拡大を目指す計画です。また、既に権利化済みの他のマイクロRNAについても開発を進めていくのに加え、さらに独自の機能性RNAスクリーニングプラットフォームを駆使して新規のRNAシーズを創出していくことにより、マイクロRNA創薬の分野で世界的なリーディングカンパニーとなることを目指します。
当社は、今回調達した資金を用いて、MIRX002の悪性胸膜中皮腫に対するグローバル臨床試験の加速化、MIRX002の他のがん腫への適応拡大の促進、開発パイプライン拡充のための研究開発の強化を進めて参ります。なお、全身投与型の核酸医薬の開発は現在も順調に進めているところです。
■投資家のコメント
株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ プリンシパル 佐竹 祐輔 様
PURMX Therapeuticsは、老化を誘導するマイクロRNAを補充することで「老化のスイッチ」を入れ、がん細胞を死滅させる革新的なアプローチでの抗がん剤の開発を進めており、今後、開発品のグローバル臨床試験、および適応拡大を進めることで、有効な治療手段がない難治性がんに対する新たな治療オプションの提供が期待できます。難治性疾患に苦しむ患者さんへの貢献を目指す同社の成長を、全力で支援して参ります。
【MIRX002について】
ヒトの体内の細胞で作られる多数のマイクロRNAのうち、がん細胞で発現が低下していて、がん細胞に補充することによりがん細胞を老化に導き、抗腫瘍効果をもたらすものを選択的にスクリーニングして、複数のマイクロRNAが単離同定されました。MIRX002は、その一つであるmiR-3140-3pを薬効成分とする核酸医薬です。MIRX002に用いられているマイクロRNAは、無修飾の「天然型」のマイクロRNAです。そのため、ヒトの生体内で作られるものと同じ分子であることから、副作用が少ない抗がん剤となる可能性が期待できます。MIRX002には、マイクロRNAを生体内で保護し分解することなく細胞に届ける担体としてペプチド性分子である「A6K」を添加しています。悪性胸膜中皮腫のモデルマウスを用いた動物実験では、MIRX002をマウスの胸腔内に1回~3回投与を行うことにより、顕著な腫瘍の縮小と生存率の大幅な延長が認められました。また、今までに得られたデータから抗がん剤耐性の原因と考えられている「がん幹細胞」を死滅させ、がんの再発を抑える可能性が示唆されています。
【悪性胸膜中皮腫について】
アスベスト(石綿)に曝露されることが原因として明らかになっている癌です。アスベスト曝露開始から発症までの潜伏期間が25~50 年とされており、今後も患者数は増加することが予想されています。全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2018 年2 月集計)による病期別5 年生存率は,I期14.6%(n=48),II期4.5%(n=22),III期8.0%(n=50),IV期0.0%(n=70)といずれも予後不良であることが報告されている一方で、治療についてのエビデンス構築は不十分であり、アンメットメディカルニーズの高い癌の一つとされています。
【株式会社PURMX Therapeuticsについて】
広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室 田原栄俊教授が、新たに広島大学発のベンチャーとして、株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス)を2021年1月27日に設立しました。今後、MIRX002の開発に注力する一方で、それ以外の小分子RNA核酸についても医薬品開発を推進していく予定です。
【広島大学について】
広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室 田原栄俊教授が長年に渡り、老化に関わるマイクロRNAの研究を行い、その成果としてMIRX002の創出につながりました。また今回のファーストインヒューマン第一相試験に関しては、広島大学原爆放射線医科学研究所 腫瘍外科 岡田守人教授が治験調整医師代表として、多施設の医師主導治験を実施しています。
【株式会社スリー・ディー・マトリックスについて】
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)により発見された自己組織化ペプチドをコア技術とし、医療製品開発を行う企業です(東証JASDAQ 7777)。自己組織化ペプチドの一種であるA6Kは、生体内におけるRNA分解酵素から核酸の分解を防ぎ、細胞に核酸を届けることができることが臨床試験で示唆されています。当社はA6Kの応用に関するライセンス契約を株式会社スリー・ディー・マトリックスと締結し、核酸保護担体としてMIRX002にA6Kを用いています。
【用語解説】
(注1) マイクロRNA
マイクロRNAは、1993年にまず線虫から見出された、生体内に存在する20~25塩基からなる微小なRNAであり、他の遺伝子の発現を調節することで様々な生命現象を制御する分子です。今日では35,000種類以上のマイクロRNAが様々な生物から発見されており、ヒトの体内で合成される核酸として判明しているだけでも約2600種類のマイクロRNAが機能性RNAとして存在しています。マイクロRNAは、がんや心血管疾患、あるいは神経変性疾患や精神疾患など様々な疾患の発症と進行に関わっていると報告されています。特に、細胞のがん化に深く関与していることが多くの研究者らによって指摘されています。
(注2) 核酸医薬
核酸医薬とは、異常な遺伝子の働きに対し、それを抑制するように作用する、核酸を有効成分とした新しい医薬品です。様々な遺伝子に対する核酸医薬が注目されていますが、現在のところ悪性胸膜中皮腫に対する治療薬として承認されている核酸医薬はなく、新たな開発が期待されております。
(注3) 第I臨床相試験
新しい薬をはじめてヒトに投与する試験。少数の患者さんで、投与量を段階的に増やしていき、薬の安全性と適切な投与量、投与方法を調べます。がんを対象として開発するための第I相臨床試験では、通常、標準的治療法のないがん患者さんを対象に試験を実施します。
本件に対するお問合せ
株式会社PURMX Therapeutics
電話:082-257-5290
FAX:082-257-5294
https://www.purmx.com/
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2024年5月7日
株式会社PURMX Therapeutics
代表取締役社長 田原 栄俊
問い合わせ先:IR@mirx.jp
株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス、本社:広島市、代表取締役社長:田原栄俊、以下「当社」)は、KII3号インパクト投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を行ったことを報告いたします。今回の第三者割当増資により PURMX Therapeutics の累計調達額は総額約12 億円(7.8 MUSD)となります。
当社は、臨床ステージにある創薬ベンチャーです。広島大学の技術である、未修飾の天然型マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬の研究開発パイプラインを複数有していますマイクロRNAは生物の中で自然に作られる核酸の一種であることから、未修飾のマイクロRNAは他の核酸医薬より安全性が高いことが期待されます。また、標的とする遺伝子が複数であることが特徴であることから他の核酸医薬より高い有効性が期待されます。リードパイプラインであるMIRX002に関しては、現在、悪性胸膜中皮腫の患者を対象とした第I相臨床試験を広島大学病院、近畿大学病院、兵庫医科大学において医師主導治験(治験調整医師代表 広島大学病院呼吸器外科 岡田守人教授)として実施中です。
現時点までに、マイクロRNAを有効成分とする核酸医薬について臨床試験のフェーズまで開発を進めている例は世界的にも限られており、ファーストインヒューマン治験を実施した核酸医薬開発品としては、当社のMIRX002が日本において初めての例になります。これまでの他社による異なるマイクロRNAの臨床試験で高い特性が示されたことから、我々はファーストインヒューマン試験を局所投与で行うこととしました。
MIRX002は、広島大学が有する独自の機能性RNAスクリーニングプラットフォームにより見いだされた強力な抗腫瘍効果を有するマイクロRNA(miR-3140-3p)とペプチド性核酸保護担体A6Kとを組み合わせることで、革新的でユニークな新規モダリティの開発パイプラインとして創出されました。MIRX002は、世界初のマイクロRNA医薬品として薬事承認を取得する可能性を有しています。
当社は今後、MIRX002の開発をさらに進めるため、悪性胸膜中皮腫以外のがん種に対しても適応拡大を目指す計画です。また、既に権利化済みの他のマイクロRNAについても開発を進めていくのに加え、さらに独自の機能性RNAスクリーニングプラットフォームを駆使して新規のRNAシーズを創出していくことにより、マイクロRNA創薬の分野で世界的なリーディングカンパニーとなることを目指します。
当社は、今回調達した資金を用いて、MIRX002の悪性胸膜中皮腫に対するグローバル臨床試験の加速化、MIRX002の他のがん腫への適応拡大の促進、開発パイプライン拡充のための研究開発の強化を進めて参ります。なお、全身投与型の核酸医薬の開発は現在も順調に進めているところです。
■投資家のコメント
株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ プリンシパル 佐竹 祐輔 様
PURMX Therapeuticsは、老化を誘導するマイクロRNAを補充することで「老化のスイッチ」を入れ、がん細胞を死滅させる革新的なアプローチでの抗がん剤の開発を進めており、今後、開発品のグローバル臨床試験、および適応拡大を進めることで、有効な治療手段がない難治性がんに対する新たな治療オプションの提供が期待できます。難治性疾患に苦しむ患者さんへの貢献を目指す同社の成長を、全力で支援して参ります。
【MIRX002について】
ヒトの体内の細胞で作られる多数のマイクロRNAのうち、がん細胞で発現が低下していて、がん細胞に補充することによりがん細胞を老化に導き、抗腫瘍効果をもたらすものを選択的にスクリーニングして、複数のマイクロRNAが単離同定されました。MIRX002は、その一つであるmiR-3140-3pを薬効成分とする核酸医薬です。MIRX002に用いられているマイクロRNAは、無修飾の「天然型」のマイクロRNAです。そのため、ヒトの生体内で作られるものと同じ分子であることから、副作用が少ない抗がん剤となる可能性が期待できます。MIRX002には、マイクロRNAを生体内で保護し分解することなく細胞に届ける担体としてペプチド性分子である「A6K」を添加しています。悪性胸膜中皮腫のモデルマウスを用いた動物実験では、MIRX002をマウスの胸腔内に1回~3回投与を行うことにより、顕著な腫瘍の縮小と生存率の大幅な延長が認められました。また、今までに得られたデータから抗がん剤耐性の原因と考えられている「がん幹細胞」を死滅させ、がんの再発を抑える可能性が示唆されています。
【悪性胸膜中皮腫について】
アスベスト(石綿)に曝露されることが原因として明らかになっている癌です。アスベスト曝露開始から発症までの潜伏期間が25~50 年とされており、今後も患者数は増加することが予想されています。全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2018 年2 月集計)による病期別5 年生存率は,I期14.6%(n=48),II期4.5%(n=22),III期8.0%(n=50),IV期0.0%(n=70)といずれも予後不良であることが報告されている一方で、治療についてのエビデンス構築は不十分であり、アンメットメディカルニーズの高い癌の一つとされています。
【株式会社PURMX Therapeuticsについて】
広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室 田原栄俊教授が、新たに広島大学発のベンチャーとして、株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス)を2021年1月27日に設立しました。今後、MIRX002の開発に注力する一方で、それ以外の小分子RNA核酸についても医薬品開発を推進していく予定です。
【広島大学について】
広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室 田原栄俊教授が長年に渡り、老化に関わるマイクロRNAの研究を行い、その成果としてMIRX002の創出につながりました。また今回のファーストインヒューマン第一相試験に関しては、広島大学原爆放射線医科学研究所 腫瘍外科 岡田守人教授が治験調整医師代表として、多施設の医師主導治験を実施しています。
【株式会社スリー・ディー・マトリックスについて】
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)により発見された自己組織化ペプチドをコア技術とし、医療製品開発を行う企業です(東証JASDAQ 7777)。自己組織化ペプチドの一種であるA6Kは、生体内におけるRNA分解酵素から核酸の分解を防ぎ、細胞に核酸を届けることができることが臨床試験で示唆されています。当社はA6Kの応用に関するライセンス契約を株式会社スリー・ディー・マトリックスと締結し、核酸保護担体としてMIRX002にA6Kを用いています。
【用語解説】
(注1) マイクロRNA
マイクロRNAは、1993年にまず線虫から見出された、生体内に存在する20~25塩基からなる微小なRNAであり、他の遺伝子の発現を調節することで様々な生命現象を制御する分子です。今日では35,000種類以上のマイクロRNAが様々な生物から発見されており、ヒトの体内で合成される核酸として判明しているだけでも約2600種類のマイクロRNAが機能性RNAとして存在しています。マイクロRNAは、がんや心血管疾患、あるいは神経変性疾患や精神疾患など様々な疾患の発症と進行に関わっていると報告されています。特に、細胞のがん化に深く関与していることが多くの研究者らによって指摘されています。
(注2) 核酸医薬
核酸医薬とは、異常な遺伝子の働きに対し、それを抑制するように作用する、核酸を有効成分とした新しい医薬品です。様々な遺伝子に対する核酸医薬が注目されていますが、現在のところ悪性胸膜中皮腫に対する治療薬として承認されている核酸医薬はなく、新たな開発が期待されております。
(注3) 第I臨床相試験
新しい薬をはじめてヒトに投与する試験。少数の患者さんで、投与量を段階的に増やしていき、薬の安全性と適切な投与量、投与方法を調べます。がんを対象として開発するための第I相臨床試験では、通常、標準的治療法のないがん患者さんを対象に試験を実施します。
本件に対するお問合せ
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電話:082-257-5290
FAX:082-257-5294
https://www.purmx.com/
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(2024/05/07 15:00)
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