インスメッド(R)、2024年第1四半期業績、ならびにビジネスアップデート発表
インスメッド合同会社
アリケイス(R)(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)*の 2024 年第 1 四半期の総収益は 7,550 万ドル、2023年第1四半期から年間16%の成長を反映。
Treprostinil Palmitil Inhalation Powder (TPIP)の間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(PH-ILD)を対象とした第II相試験における、安全性・忍容性に関する良好なトップラインデータを報告した。79.3%の患者が5週目までに最大用量である640μgに到達した。臨床症状悪化に関する探索的評価項目において、想定を上回るポジティブかつ力強い傾向を示した。
TPIPの肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象とした第II相試験で最初の40例から、有望なブラインド下データが得られた。実薬群とプラセボ群とを併合したブラインド下データにおいて、肺血管抵抗(PVR)が平均19.9%低下し、6分間歩行距離が43メートル改善した。
気管支拡張症患者を対象としたブレンソカチブの第III相国際共同臨床試験であるASPEN試験のトップラインデータの公表は予定通り、2024年第2四半期後半の見込み。
2024年のグローバルでのアリケイス売上予想レンジを3億4,000万ドルから3億6,000万ドルの範囲で維持、2023年と比較して2桁の成長を反映。
*日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。
2024年5月9日、米国ニュージャージー発 深刻な希少疾患と生きる患者さんの未来を変えることを使命とするグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド(Nasdaq: INSM)は、2024年3月31日に終了した第1四半期の業績、ならびにビジネスアップデートを発表しました。
インスメッド会長兼最高経営責任者(CEO)のウィル・ルイスは、「TPIPでは、PH-ILDを対象とした第II相試験の良好な安全性と忍容性プロファイルが引き続き確認され、PAHを対象とした第II相試験のブラインド下のPVRデータも心強いものでした。これらの結果を合わせると、TPIPはクラス最高のプロスタノイドとなり得ると考えています。」と述べたうえで、「今期後半に予定されているASPEN試験の結果を大いに期待して待ちたいと思います。私たちの研究努力を支えているのはアリケイスの優秀なコマーシャル組織であり、今期は2桁の売上増を達成し、2024年の売上予想の達成に向けて順調に進んでいます。」と述べています。
最近の主なハイライト
Pillar1:アリケイス
・ 2024年第1四半期のアリケイスの売上高は、米国、日本、欧州での前年同期比2桁増を反映し、2023年第1四半期比で16%増加しました。
・ フランスの医薬品・健康安全庁より、マイコバクテリウム・アブセッサスに起因する肺感染症の成人患者に対するアリケイスの人道的見地に基づいた使用を認めるプログラムを進める予定であるとの通知を受けました。
・ 6月下旬に、第III相ENCORE試験で使用する患者報告アウトカムツールに関する追加的な知見とガイダンスを得るために米国食品医薬品局(FDA)と協議をしました。今後、ENCORE試験の統計計画を確定します。
・ 現在進行中のENCORE試験のデータ安全監視委員会は、2024年4月に第4回安全性データモニタリング委員会を開催し、試験を計画通りに続行することを奨励しました。
・ ENCORE試験のトップラインデータの公表を2025年に予定しています。
Pillar2:ブレンソカチブ
・ インスメッドは、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFBE)患者を対象としたブレンソカチブの第III相ASPEN試験のトップラインデータの公表を、2024年第2四半期後半に予定しています。
・ 2024年第1四半期末時点で、ASPEN試験の全成人患者は、主要および副次的有効性評価項目が測定される52週目の来院を完了しています。
・ ASPEN試験が成功し薬事承認が得られた場合、2025年半ばに米国での気管支拡張症での発売を予定しており、その後、2026年前半にヨーロッパと日本での発売に備えて、準備活動を進めています。
・ 2024年第1四半期、インスメッドは英国の医薬品・ヘルスケア製品規制庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)から、当社の革新的ライセンス・アクセス・パスウェイ(Innovative Licensing and Access Pathway:ILAP)パスポート申請に対して肯定的な通知を受け、ブレンソカチブは12歳以上のNCFBE患者に対する治療薬としてイノベーション・パスポートの指定を受けました。ILAPおよびイノベーション・パスポートは、上市までの時間を短縮し、英国における重要な新薬への患者アクセスを促進することを目的としています。
・ 鼻茸を伴わない慢性鼻副鼻腔炎(CRSsNP)患者を対象としたブレンソカチブの第IIb相試験(BiRCh試験)の患者登録を継続しており、同試験のトップラインデータの公表を2025年に予定しています。
・ ASPEN試験の結果が良好であれば、2024年下半期に、化膿性汗腺炎(HS)患者を対象としたブレンソカチブの第II相試験を開始する予定です。
Pillar3:TPIP
PH-ILD
・ 本日、PH-ILD患者を対象としたTreprostinil palmitilの吸入薬(TPIP)の第II相試験から、安全性と忍容性のトップラインデータ、および一部の探索的有効性評価項目を発表しました。
・ TPIP群では、79.3%の患者が5週目までに640μgの最大用量に達することができたのに対し、プラセボ群
では100.0%でした。
・ 治療中止に至った、治験薬投与下の有害事象は、TPIP群では13.8%、プラセボ群では30.0%に発現しま
した。
・ 何らかの有害事象はTPIP群で93.1%、プラセボ群で90.0%に発現しました。治験薬に関連した有害事象
はTPIP群で55.2%、プラセボ群で40.0%に見られました。
・ 治験薬に関連した咳嗽は、TPIP群では37.9%、プラセボ群では0.0%に見られました。
・ 咳嗽の症状はすべて軽度で、治療中止に至ったものはありませんでした。
・ 重篤な有害事象はTPIP群で20.7%、プラセボ群で40.0%に発現しました。
・ 死亡はTPIP群で6.9%、プラセボ群で20.0%でした。
・ 死亡の原因はすべて疾患の進行または合併症であり、治験薬との関連は認められませんでした。
・ TPIPで治療された患者は、安静時、運動中あるいは運動後の最低酸素濃度において、ベースラインと比較
して有意な変化はみられませんでした。また、TPIPを投与された患者において、補助酸素の使用量に変化
はありませんでした。
・ TPIPを投与された患者では運動後に酸素化レベルがわずかに低下したのに対し、プラセボを投与さ
れた患者ではわずかに上昇しました。しかし、この評価項目が測定されたタイミングにはばらつき
があり、安静時や運動中あるいは運動後の最も低い時点での測定と比較すると、結果の解釈が難し
くなる可能性があります。
・ 6分間歩行距離のベースラインからの変化という探索的評価項目では、TPIP群はプラセボ群と比較して30
メートルの改善を示しました。しかしながら、ばらつきが大きい結果となりました。
・ NT-proBNP値のベースラインからの変化は、TPIP群では改善傾向がみられ、プラセボ群では悪化傾向が
みられましたが、群間で有意な差はみられませんでした。
・ TPIP群では10.3%に臨床的悪化がみられたのに対し、プラセボ群では50.0%でした。この差は名目上有
意となります(p=0.0164)。
・ これらの試験結果は、症例数の少ない臨床試験から得られたものであるため、当社はこれらの結果を適切な注意を払って解釈しています。
・ インスメッドは、本試験の薬物動態学的結果、更なる安全性および探索的評価項目について、本年末に開催予定の医学関連学会で発表する予定です。
・ PH-ILDを対象とした第II相試験の結果に基づき、当社はPH-ILDを対象とした第III相試験のデザインについて世界の規制当局と協議を進めており、2025年に開始する予定です。
PAH
・ 本日、PAHを対象としたTPIPの進行中の第II相試験において、16週間の全治療期間を終了した最初の40名の患者から得られた最新の併合したブラインド下データを発表しました。
・ プラセボを含む40人の患者のうち、16週目の肺血管抵抗(PVR)の平均減少率は19.9%でした。
・ 治療群とプラセボ群を併合した40人の患者において、6分間歩行距離のベースラインからの改善の平均値
は43メートルでした。
・ 5週目の来院を完了した最初の43人の患者のうち、79.1%が最大用量の640μg(プラセボ群では一致する
プラセボの用量)に達することができました。
・ インスメッドは、一部のPAH患者を対象としたオープンラベル延長試験において、治験責任医師の判断に基づき、TPIPの最大投与量を1日1回640μgから最大1,280μgまで増量できるようプロトコールを修正するために、試験が実施されている17カ国のうち10カ国において必要な規制当局の了承を得ました。
・ PAHを対象とした第II相試験は現在も進行中であり、現在目標登録数の半分以上が終了しています。
・ 2024年3月、PAHを対象とした第II相試験の第2回データモニタリング委員会が開催され、その結果、委員会は変更なく試験を継続するよう勧告しました。
・ PAHを対象とした第II相試験のトップライン結果の公表は、引き続き2025年に予定しています。
Pillar4:早期開発品
・ インスメッドの初期研究の取り組みには、30以上の特定された前臨床プログラムが含まれており、すべてが当該領域で初めての治療法または最善の治療法になる可能性があります。
・ 初期研究プログラム全体に対する支出は年間支出全体の20%未満になると予想しています。
コーポレートアップデート
・ インスメッドは、2024年5月17日から22日まで開催される米国胸部学会(ATS)2024年国際会議において、呼吸器領域(アリケイス、ブレンソカチブ、TPIP)のポートフォリオから9演題を発表する予定です。
・ 当社は、気管支拡張症と非結核性抗酸菌性肺疾患患者のためのCOPD財団の新しいケアセンターネットワークの設立スポンサーとなりました。このイニシアチブを通じて、COPD財団は、専門家主導の学術センターから一貫した治療基準を確立し、より広範なコミュニティと共有することで、治療目標を達成しようと努力する患者により包括的なケアを提供することを目指し、全米に150の学際的な卓越したセンターを設立することを目指しています。
・ インスメッドの最高医学責任者であるマルティナ・フラマー(M.D., M.B.A.)が、フィル・マーフィー知事によりニュージャージー希少疾患諮問委員会(RDAC)の委員長に任命されました。全米希少疾患機構(NORD)により設立されたRDACは、希少疾患に対する認識を高め、必要とされる新しい研究に資金を提供することに焦点を当てた、州全体の専門家による統一された学際的ネットワークを結集するものです。マルティナは、ニュージャージー州のライフサイエンス業界団体であるBioNJから、ニュージャージー州のRDACにおけるバイオ製薬業界の代表として指名されました。
2024年第1四半期の業績について
・ 2024年第1四半期の売上高は7,550万ドルで、2023年第1四半期の売上高6,520万ドルと比較して16%の伸びを示しました。
・ 2024年第1四半期の売上高は、米国で5,630万ドル、日本で1,490万ドル、欧州およびその他の地域で430万ドルで、米国で前年同期比15%増、日本で同13%増、欧州およびその他の地域で同42%増となり、これらの地域におけるアリケイスの継続的な成長傾向を反映しています。
・ 製品売上原価(償却費を除く)は、2023年度第1四半期の1,380万ドルに対し、2024年度第1四半期は1,750万ドルで、主にアリケイスの販売数量の増加を反映しています。
・ 研究開発(R&D)費は、2023年度第1四半期の1億2,790万ドルに対し、2024年度第1四半期は1億2,110万ドルとなりましたが、これは2023年度第1四半期のベルトゥイ・バイオ社(Vertuis Bio, Inc.)の買収に関連する1,030万ドルの非現金支出費用を反映して減少しました。
・ 2024 年第1四半期の販売費および一般管理費(SG&A)は 9,310 万ドルで、2023 年第1四半期は 7,990 万ドルでした。販売費および一般管理費の前年同期比増加は、主に報酬および福利厚生関連費用の増加によるものです。
・ 2024年第1四半期のインスメッドの純損失は1億5,710万ドル(1株当たり1.06ドル)で、2023年第1四半期の純損失は1億5,980万ドル(1株当たり1.17ドル)でした。
貸借対照表、財政ガイダンス、計画投資について
・ 2024年3月31日現在、インスメッドは、5億9,570万ドルの現金および現金同等物を保有しています。
・ 2024年通年のアリケイスの全世界での売上を中間値で2023年と比較して15%の年間成長をするという方向性を反映し、3億4,000万~3億6,000万ドルと予測しています。
・ 全年間支出の80%以上を中期から後期段階のプログラム(アリケイス、ブレンソカチブ、およびTPIP)に、20%未満を初期段階の研究開発プログラムに投じる予定です。これは弊社のこれまでの支出状況を反映したものです。
・ 弊社は、2024年には以下の主要な活動への投資を計画しています。
(i) 「アリケイス」のグローバルでのさらなる上市および拡大。
(ii) 気管支拡張症患者を対象とした第III相ASPEN試験および上市準備活動を含むブレンソカチブのプログラムの進捗推進、ならびにCRSsNP患者を対象とした進行中の第II相試験、ASPEN試験の結果により下半期に開始予定のHSに対する第II相試験。
(iii) アリケイスの臨床試験の推進。現在の適応症の完全承認のための条件を満たすことを目指し、可能性として肺MAC症の全患者への適応拡大を含みます。
(iv) TPIPの第II相試験の推進。
(v) 早期開発パイプラインの推進。
アリケイスについて
アリケイスは、米国ではARIKAYCE(R)(Amikacin Liposomal Inhalation Suspension/ALIS, アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)、欧州ではARIKAYCE(R) Liposomal 590mg Nebuliser Dispersion、日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。現在、国際的な治療ガイドラインでは、適切な患者にアリケイスを使用することが推奨されています。アリケイスは、これまで静脈内投与されていたアミカシンを、1日1回、吸入投与する新規製剤です。弊社独自のPULMOVANCE(R)リポソーム技術により、アミカシンを肺に直接到達させることで、従来懸念されていた聴覚、平衡感覚、および腎機能といった全身性の副作用の発現を抑えながら、主要な感染細胞である肺マクロファージに取り込まれることを可能としました。アリケイスは、PARI(R) Pharma GmbH(以下、PARI社)社製のラミラ(R) ネブライザシステムを使用して1日1回投与されます。
PARI社とラミラネブライザシステムについて
アリケイスは、PARI社が開発した新しい吸入器であるラミラネブライザシステムによって投与されます。ラミラは、振動する多孔質膜を介してアリケイスを効率的に噴霧することができる、静かで持ち運び可能なネブライザです。PARI社は、エアロゾルに関する100年の知見に基づき、患者の治療を向上させるための革新的な送達プラットフォームの開発を通じて、吸入治療の進歩に貢献しています。
ブレンソカチブについて
ブレンソカチブは、インスメッドが気管支拡張症やその他の好中球介在性疾患の治療薬として開発している低分子の経口ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)可逆的阻害剤です。DPP1は、好中球が骨髄で形成される際に、好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼ(NSP)を活性化する酵素です。好中球は白血球の中で最も多く存在し、病原体の破壊や炎症性媒介において不可欠な役割を担っています。慢性炎症性肺疾患では、好中球が気道に蓄積し、その結果、過剰に活性化したNSPが肺の破壊と炎症を引き起こします。ブレンソカチブは、DPP1およびそのNSPの活性化を阻害することにより、気管支拡張症などの炎症性疾患への損傷作用を低下させることが期待されます。現在、ブレンソカチブは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
TPIPについて
Treprostinil palmitil inhalation powder(TPIP)は、トレプロスチニルのプロドラッグ乾燥粉末製剤であり、16炭素鎖にエステル結合でトレプロスチニルを連結したものです。TPIPは、すべて弊社の研究所で開発され、PAH、PH-ILD、その他の希少かつ重篤な肺疾患患者の治療薬として将来が非常に期待されるプロスタノイドです。TPIPは、カプセル製剤であり、吸入器を使用して投与されます。現在、TPIPは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
Insmed(R), Insmed logo, インスメッド(R), ARIKAYCE(R), アリケイス(R) are registered trademarks of Insmed Incorporated.
PARI(R) is a registered trademark of PARI GmbH.ラミラ(R) is registered trademarks of PARI Pharma GmbH.
All other trademarks referenced herein are the property of their respective owners.
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アリケイス(R)(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)*の 2024 年第 1 四半期の総収益は 7,550 万ドル、2023年第1四半期から年間16%の成長を反映。
Treprostinil Palmitil Inhalation Powder (TPIP)の間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(PH-ILD)を対象とした第II相試験における、安全性・忍容性に関する良好なトップラインデータを報告した。79.3%の患者が5週目までに最大用量である640μgに到達した。臨床症状悪化に関する探索的評価項目において、想定を上回るポジティブかつ力強い傾向を示した。
TPIPの肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象とした第II相試験で最初の40例から、有望なブラインド下データが得られた。実薬群とプラセボ群とを併合したブラインド下データにおいて、肺血管抵抗(PVR)が平均19.9%低下し、6分間歩行距離が43メートル改善した。
気管支拡張症患者を対象としたブレンソカチブの第III相国際共同臨床試験であるASPEN試験のトップラインデータの公表は予定通り、2024年第2四半期後半の見込み。
2024年のグローバルでのアリケイス売上予想レンジを3億4,000万ドルから3億6,000万ドルの範囲で維持、2023年と比較して2桁の成長を反映。
*日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。
2024年5月9日、米国ニュージャージー発 深刻な希少疾患と生きる患者さんの未来を変えることを使命とするグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド(Nasdaq: INSM)は、2024年3月31日に終了した第1四半期の業績、ならびにビジネスアップデートを発表しました。
インスメッド会長兼最高経営責任者(CEO)のウィル・ルイスは、「TPIPでは、PH-ILDを対象とした第II相試験の良好な安全性と忍容性プロファイルが引き続き確認され、PAHを対象とした第II相試験のブラインド下のPVRデータも心強いものでした。これらの結果を合わせると、TPIPはクラス最高のプロスタノイドとなり得ると考えています。」と述べたうえで、「今期後半に予定されているASPEN試験の結果を大いに期待して待ちたいと思います。私たちの研究努力を支えているのはアリケイスの優秀なコマーシャル組織であり、今期は2桁の売上増を達成し、2024年の売上予想の達成に向けて順調に進んでいます。」と述べています。
最近の主なハイライト
Pillar1:アリケイス
・ 2024年第1四半期のアリケイスの売上高は、米国、日本、欧州での前年同期比2桁増を反映し、2023年第1四半期比で16%増加しました。
・ フランスの医薬品・健康安全庁より、マイコバクテリウム・アブセッサスに起因する肺感染症の成人患者に対するアリケイスの人道的見地に基づいた使用を認めるプログラムを進める予定であるとの通知を受けました。
・ 6月下旬に、第III相ENCORE試験で使用する患者報告アウトカムツールに関する追加的な知見とガイダンスを得るために米国食品医薬品局(FDA)と協議をしました。今後、ENCORE試験の統計計画を確定します。
・ 現在進行中のENCORE試験のデータ安全監視委員会は、2024年4月に第4回安全性データモニタリング委員会を開催し、試験を計画通りに続行することを奨励しました。
・ ENCORE試験のトップラインデータの公表を2025年に予定しています。
Pillar2:ブレンソカチブ
・ インスメッドは、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFBE)患者を対象としたブレンソカチブの第III相ASPEN試験のトップラインデータの公表を、2024年第2四半期後半に予定しています。
・ 2024年第1四半期末時点で、ASPEN試験の全成人患者は、主要および副次的有効性評価項目が測定される52週目の来院を完了しています。
・ ASPEN試験が成功し薬事承認が得られた場合、2025年半ばに米国での気管支拡張症での発売を予定しており、その後、2026年前半にヨーロッパと日本での発売に備えて、準備活動を進めています。
・ 2024年第1四半期、インスメッドは英国の医薬品・ヘルスケア製品規制庁(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)から、当社の革新的ライセンス・アクセス・パスウェイ(Innovative Licensing and Access Pathway:ILAP)パスポート申請に対して肯定的な通知を受け、ブレンソカチブは12歳以上のNCFBE患者に対する治療薬としてイノベーション・パスポートの指定を受けました。ILAPおよびイノベーション・パスポートは、上市までの時間を短縮し、英国における重要な新薬への患者アクセスを促進することを目的としています。
・ 鼻茸を伴わない慢性鼻副鼻腔炎(CRSsNP)患者を対象としたブレンソカチブの第IIb相試験(BiRCh試験)の患者登録を継続しており、同試験のトップラインデータの公表を2025年に予定しています。
・ ASPEN試験の結果が良好であれば、2024年下半期に、化膿性汗腺炎(HS)患者を対象としたブレンソカチブの第II相試験を開始する予定です。
Pillar3:TPIP
PH-ILD
・ 本日、PH-ILD患者を対象としたTreprostinil palmitilの吸入薬(TPIP)の第II相試験から、安全性と忍容性のトップラインデータ、および一部の探索的有効性評価項目を発表しました。
・ TPIP群では、79.3%の患者が5週目までに640μgの最大用量に達することができたのに対し、プラセボ群
では100.0%でした。
・ 治療中止に至った、治験薬投与下の有害事象は、TPIP群では13.8%、プラセボ群では30.0%に発現しま
した。
・ 何らかの有害事象はTPIP群で93.1%、プラセボ群で90.0%に発現しました。治験薬に関連した有害事象
はTPIP群で55.2%、プラセボ群で40.0%に見られました。
・ 治験薬に関連した咳嗽は、TPIP群では37.9%、プラセボ群では0.0%に見られました。
・ 咳嗽の症状はすべて軽度で、治療中止に至ったものはありませんでした。
・ 重篤な有害事象はTPIP群で20.7%、プラセボ群で40.0%に発現しました。
・ 死亡はTPIP群で6.9%、プラセボ群で20.0%でした。
・ 死亡の原因はすべて疾患の進行または合併症であり、治験薬との関連は認められませんでした。
・ TPIPで治療された患者は、安静時、運動中あるいは運動後の最低酸素濃度において、ベースラインと比較
して有意な変化はみられませんでした。また、TPIPを投与された患者において、補助酸素の使用量に変化
はありませんでした。
・ TPIPを投与された患者では運動後に酸素化レベルがわずかに低下したのに対し、プラセボを投与さ
れた患者ではわずかに上昇しました。しかし、この評価項目が測定されたタイミングにはばらつき
があり、安静時や運動中あるいは運動後の最も低い時点での測定と比較すると、結果の解釈が難し
くなる可能性があります。
・ 6分間歩行距離のベースラインからの変化という探索的評価項目では、TPIP群はプラセボ群と比較して30
メートルの改善を示しました。しかしながら、ばらつきが大きい結果となりました。
・ NT-proBNP値のベースラインからの変化は、TPIP群では改善傾向がみられ、プラセボ群では悪化傾向が
みられましたが、群間で有意な差はみられませんでした。
・ TPIP群では10.3%に臨床的悪化がみられたのに対し、プラセボ群では50.0%でした。この差は名目上有
意となります(p=0.0164)。
・ これらの試験結果は、症例数の少ない臨床試験から得られたものであるため、当社はこれらの結果を適切な注意を払って解釈しています。
・ インスメッドは、本試験の薬物動態学的結果、更なる安全性および探索的評価項目について、本年末に開催予定の医学関連学会で発表する予定です。
・ PH-ILDを対象とした第II相試験の結果に基づき、当社はPH-ILDを対象とした第III相試験のデザインについて世界の規制当局と協議を進めており、2025年に開始する予定です。
PAH
・ 本日、PAHを対象としたTPIPの進行中の第II相試験において、16週間の全治療期間を終了した最初の40名の患者から得られた最新の併合したブラインド下データを発表しました。
・ プラセボを含む40人の患者のうち、16週目の肺血管抵抗(PVR)の平均減少率は19.9%でした。
・ 治療群とプラセボ群を併合した40人の患者において、6分間歩行距離のベースラインからの改善の平均値
は43メートルでした。
・ 5週目の来院を完了した最初の43人の患者のうち、79.1%が最大用量の640μg(プラセボ群では一致する
プラセボの用量)に達することができました。
・ インスメッドは、一部のPAH患者を対象としたオープンラベル延長試験において、治験責任医師の判断に基づき、TPIPの最大投与量を1日1回640μgから最大1,280μgまで増量できるようプロトコールを修正するために、試験が実施されている17カ国のうち10カ国において必要な規制当局の了承を得ました。
・ PAHを対象とした第II相試験は現在も進行中であり、現在目標登録数の半分以上が終了しています。
・ 2024年3月、PAHを対象とした第II相試験の第2回データモニタリング委員会が開催され、その結果、委員会は変更なく試験を継続するよう勧告しました。
・ PAHを対象とした第II相試験のトップライン結果の公表は、引き続き2025年に予定しています。
Pillar4:早期開発品
・ インスメッドの初期研究の取り組みには、30以上の特定された前臨床プログラムが含まれており、すべてが当該領域で初めての治療法または最善の治療法になる可能性があります。
・ 初期研究プログラム全体に対する支出は年間支出全体の20%未満になると予想しています。
コーポレートアップデート
・ インスメッドは、2024年5月17日から22日まで開催される米国胸部学会(ATS)2024年国際会議において、呼吸器領域(アリケイス、ブレンソカチブ、TPIP)のポートフォリオから9演題を発表する予定です。
・ 当社は、気管支拡張症と非結核性抗酸菌性肺疾患患者のためのCOPD財団の新しいケアセンターネットワークの設立スポンサーとなりました。このイニシアチブを通じて、COPD財団は、専門家主導の学術センターから一貫した治療基準を確立し、より広範なコミュニティと共有することで、治療目標を達成しようと努力する患者により包括的なケアを提供することを目指し、全米に150の学際的な卓越したセンターを設立することを目指しています。
・ インスメッドの最高医学責任者であるマルティナ・フラマー(M.D., M.B.A.)が、フィル・マーフィー知事によりニュージャージー希少疾患諮問委員会(RDAC)の委員長に任命されました。全米希少疾患機構(NORD)により設立されたRDACは、希少疾患に対する認識を高め、必要とされる新しい研究に資金を提供することに焦点を当てた、州全体の専門家による統一された学際的ネットワークを結集するものです。マルティナは、ニュージャージー州のライフサイエンス業界団体であるBioNJから、ニュージャージー州のRDACにおけるバイオ製薬業界の代表として指名されました。
2024年第1四半期の業績について
・ 2024年第1四半期の売上高は7,550万ドルで、2023年第1四半期の売上高6,520万ドルと比較して16%の伸びを示しました。
・ 2024年第1四半期の売上高は、米国で5,630万ドル、日本で1,490万ドル、欧州およびその他の地域で430万ドルで、米国で前年同期比15%増、日本で同13%増、欧州およびその他の地域で同42%増となり、これらの地域におけるアリケイスの継続的な成長傾向を反映しています。
・ 製品売上原価(償却費を除く)は、2023年度第1四半期の1,380万ドルに対し、2024年度第1四半期は1,750万ドルで、主にアリケイスの販売数量の増加を反映しています。
・ 研究開発(R&D)費は、2023年度第1四半期の1億2,790万ドルに対し、2024年度第1四半期は1億2,110万ドルとなりましたが、これは2023年度第1四半期のベルトゥイ・バイオ社(Vertuis Bio, Inc.)の買収に関連する1,030万ドルの非現金支出費用を反映して減少しました。
・ 2024 年第1四半期の販売費および一般管理費(SG&A)は 9,310 万ドルで、2023 年第1四半期は 7,990 万ドルでした。販売費および一般管理費の前年同期比増加は、主に報酬および福利厚生関連費用の増加によるものです。
・ 2024年第1四半期のインスメッドの純損失は1億5,710万ドル(1株当たり1.06ドル)で、2023年第1四半期の純損失は1億5,980万ドル(1株当たり1.17ドル)でした。
貸借対照表、財政ガイダンス、計画投資について
・ 2024年3月31日現在、インスメッドは、5億9,570万ドルの現金および現金同等物を保有しています。
・ 2024年通年のアリケイスの全世界での売上を中間値で2023年と比較して15%の年間成長をするという方向性を反映し、3億4,000万~3億6,000万ドルと予測しています。
・ 全年間支出の80%以上を中期から後期段階のプログラム(アリケイス、ブレンソカチブ、およびTPIP)に、20%未満を初期段階の研究開発プログラムに投じる予定です。これは弊社のこれまでの支出状況を反映したものです。
・ 弊社は、2024年には以下の主要な活動への投資を計画しています。
(i) 「アリケイス」のグローバルでのさらなる上市および拡大。
(ii) 気管支拡張症患者を対象とした第III相ASPEN試験および上市準備活動を含むブレンソカチブのプログラムの進捗推進、ならびにCRSsNP患者を対象とした進行中の第II相試験、ASPEN試験の結果により下半期に開始予定のHSに対する第II相試験。
(iii) アリケイスの臨床試験の推進。現在の適応症の完全承認のための条件を満たすことを目指し、可能性として肺MAC症の全患者への適応拡大を含みます。
(iv) TPIPの第II相試験の推進。
(v) 早期開発パイプラインの推進。
アリケイスについて
アリケイスは、米国ではARIKAYCE(R)(Amikacin Liposomal Inhalation Suspension/ALIS, アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)、欧州ではARIKAYCE(R) Liposomal 590mg Nebuliser Dispersion、日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。現在、国際的な治療ガイドラインでは、適切な患者にアリケイスを使用することが推奨されています。アリケイスは、これまで静脈内投与されていたアミカシンを、1日1回、吸入投与する新規製剤です。弊社独自のPULMOVANCE(R)リポソーム技術により、アミカシンを肺に直接到達させることで、従来懸念されていた聴覚、平衡感覚、および腎機能といった全身性の副作用の発現を抑えながら、主要な感染細胞である肺マクロファージに取り込まれることを可能としました。アリケイスは、PARI(R) Pharma GmbH(以下、PARI社)社製のラミラ(R) ネブライザシステムを使用して1日1回投与されます。
PARI社とラミラネブライザシステムについて
アリケイスは、PARI社が開発した新しい吸入器であるラミラネブライザシステムによって投与されます。ラミラは、振動する多孔質膜を介してアリケイスを効率的に噴霧することができる、静かで持ち運び可能なネブライザです。PARI社は、エアロゾルに関する100年の知見に基づき、患者の治療を向上させるための革新的な送達プラットフォームの開発を通じて、吸入治療の進歩に貢献しています。
ブレンソカチブについて
ブレンソカチブは、インスメッドが気管支拡張症やその他の好中球介在性疾患の治療薬として開発している低分子の経口ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)可逆的阻害剤です。DPP1は、好中球が骨髄で形成される際に、好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼ(NSP)を活性化する酵素です。好中球は白血球の中で最も多く存在し、病原体の破壊や炎症性媒介において不可欠な役割を担っています。慢性炎症性肺疾患では、好中球が気道に蓄積し、その結果、過剰に活性化したNSPが肺の破壊と炎症を引き起こします。ブレンソカチブは、DPP1およびそのNSPの活性化を阻害することにより、気管支拡張症などの炎症性疾患への損傷作用を低下させることが期待されます。現在、ブレンソカチブは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
TPIPについて
Treprostinil palmitil inhalation powder(TPIP)は、トレプロスチニルのプロドラッグ乾燥粉末製剤であり、16炭素鎖にエステル結合でトレプロスチニルを連結したものです。TPIPは、すべて弊社の研究所で開発され、PAH、PH-ILD、その他の希少かつ重篤な肺疾患患者の治療薬として将来が非常に期待されるプロスタノイドです。TPIPは、カプセル製剤であり、吸入器を使用して投与されます。現在、TPIPは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。
Insmed(R), Insmed logo, インスメッド(R), ARIKAYCE(R), アリケイス(R) are registered trademarks of Insmed Incorporated.
PARI(R) is a registered trademark of PARI GmbH.ラミラ(R) is registered trademarks of PARI Pharma GmbH.
All other trademarks referenced herein are the property of their respective owners.
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(2024/05/27 10:00)
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