高齢入院患者の1/16人は低栄養
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
タイムリーな情報共有と多職種支援のセット化を
重症患者を診る急性期病院の経営支援を行うグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC ※1=本社・東京都新宿区、代表取締役社長・渡辺幸子)の調査によると、65歳以上の入院症例において、16人に1人は低栄養の状態であることが分かりました。専門家は、今後は「低栄養」をキーワードとしたタイムリーな情報共有と他職種支援のセット化が重要になってくると指摘しています。
入院早期からの栄養管理介入を
急性期病院に高齢患者が入院した場合、十分なリハビリや介護を行うことができず、筋力低下や栄養状態が悪化し、寝たきりのリスクが高まる可能性が問題視されています。重症患者を診る急性期病院は、リハビリや介護の対応力が相対的に弱いためです。そのため、昨今では急性期病院であっても、早期からの「リハビリ・栄養管理・口腔管理の一体的実施」が強く求められています。
これを受けてGHCはこのほど、保有する約1000病院の医療ビッグデータと独自の分析手法を用いて、入院基本料通則でも強化された低栄養の実態について分析しました(※2)。
65歳以上の入院症例を確認したところ、低栄養症例割合が中央値で6.1%と16人に1人は低栄養状態であることが分かりました(図表1)。
図表1:低栄養症例割合(低栄養症例数/全症例数)ベンチマーク。<分析条件>データ期間:2023年7月~12月の退院症例、対象病院数:1,066病院(低栄養症例あり:1,019病院)、対象症例:65歳以上、かつ様式1のA004030_3要介護情報_低栄養の有無(様式 1開始日時点)とA004030_5要介護情報_低栄養の有無(様式 1終了日時点)がどちらも「1:あり」の症例、低栄養の基準(様式1入力条件):(ア)様式1開始日又は様式1終了日を含む7日以内の日の血液検査において血中アルブミン値が3.0g/dl以下であるもの(イ)経口摂取ができない又は経口摂取のみで十分な栄養がとれないために、現に中心静脈栄養又は経鼻胃管・胃瘻等による経管栄養を実施しているもの
低栄養と評価された具体的な疾患名は、症例数順に見ると誤嚥性肺炎、肺炎等、コロナ、尿路感染症の順。これら感染症による入院の背景について、分析を担当したGHCシニアマネジャーの塚越篤子は「入院前からの食生活が大きくかかわっていると推測できる。今後は、入院前あるいは入院時点で低栄養をキーワードとしたタイムリーな情報共有と多職種支援のセット化が、医療と経営の質の両面から重要になるだろう」と指摘しています。
(※1)株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中、「質の高い医療を最適なコストで」の理念を実践する具体的な手法として、米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み、広めたパイオニアです。http://www.ghc-j.com/
(※2)医療ビッグデータを用いたデータ分析
医療ビッグデータは、患者データを含む医療に関するさまざまなデータの総称。ここでは、包括支払い方式で入院医療費を請求する「DPC(診療群分類別包括払い)制度」の対象病院が作成を義務付けられている「DPCデータ」を指す。DPC制度は、従来型の出来高制度と比較して、1日当たりの報酬が決まっているため、過剰な診療の抑制や必要なコスト削減を促すことが期待できる。主に病床数が多く、重症患者を診療する急性期病院の多くが導入している。対象病院は1761病院(2023年4月時点)。GHCは1000病院以上のDPCデータを保有しており、カバー率は約6割。今回のプレスリリースは、病院経営に資するさまざまなテーマをデータで検証したレポートを掲載する「LEAP JOURNAL」(https://www.ghc-j.com/leapjournal/)の一部記事(『診療報酬改定対応:65歳以上の入院症例16人に一人は低栄養!求められる支援のセット化』参照※会員限定記事)から分析結果を抜粋した。
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タイムリーな情報共有と多職種支援のセット化を
重症患者を診る急性期病院の経営支援を行うグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC ※1=本社・東京都新宿区、代表取締役社長・渡辺幸子)の調査によると、65歳以上の入院症例において、16人に1人は低栄養の状態であることが分かりました。専門家は、今後は「低栄養」をキーワードとしたタイムリーな情報共有と他職種支援のセット化が重要になってくると指摘しています。
入院早期からの栄養管理介入を
急性期病院に高齢患者が入院した場合、十分なリハビリや介護を行うことができず、筋力低下や栄養状態が悪化し、寝たきりのリスクが高まる可能性が問題視されています。重症患者を診る急性期病院は、リハビリや介護の対応力が相対的に弱いためです。そのため、昨今では急性期病院であっても、早期からの「リハビリ・栄養管理・口腔管理の一体的実施」が強く求められています。
これを受けてGHCはこのほど、保有する約1000病院の医療ビッグデータと独自の分析手法を用いて、入院基本料通則でも強化された低栄養の実態について分析しました(※2)。
65歳以上の入院症例を確認したところ、低栄養症例割合が中央値で6.1%と16人に1人は低栄養状態であることが分かりました(図表1)。
図表1:低栄養症例割合(低栄養症例数/全症例数)ベンチマーク。<分析条件>データ期間:2023年7月~12月の退院症例、対象病院数:1,066病院(低栄養症例あり:1,019病院)、対象症例:65歳以上、かつ様式1のA004030_3要介護情報_低栄養の有無(様式 1開始日時点)とA004030_5要介護情報_低栄養の有無(様式 1終了日時点)がどちらも「1:あり」の症例、低栄養の基準(様式1入力条件):(ア)様式1開始日又は様式1終了日を含む7日以内の日の血液検査において血中アルブミン値が3.0g/dl以下であるもの(イ)経口摂取ができない又は経口摂取のみで十分な栄養がとれないために、現に中心静脈栄養又は経鼻胃管・胃瘻等による経管栄養を実施しているもの
低栄養と評価された具体的な疾患名は、症例数順に見ると誤嚥性肺炎、肺炎等、コロナ、尿路感染症の順。これら感染症による入院の背景について、分析を担当したGHCシニアマネジャーの塚越篤子は「入院前からの食生活が大きくかかわっていると推測できる。今後は、入院前あるいは入院時点で低栄養をキーワードとしたタイムリーな情報共有と多職種支援のセット化が、医療と経営の質の両面から重要になるだろう」と指摘しています。
(※1)株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中、「質の高い医療を最適なコストで」の理念を実践する具体的な手法として、米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み、広めたパイオニアです。http://www.ghc-j.com/
(※2)医療ビッグデータを用いたデータ分析
医療ビッグデータは、患者データを含む医療に関するさまざまなデータの総称。ここでは、包括支払い方式で入院医療費を請求する「DPC(診療群分類別包括払い)制度」の対象病院が作成を義務付けられている「DPCデータ」を指す。DPC制度は、従来型の出来高制度と比較して、1日当たりの報酬が決まっているため、過剰な診療の抑制や必要なコスト削減を促すことが期待できる。主に病床数が多く、重症患者を診療する急性期病院の多くが導入している。対象病院は1761病院(2023年4月時点)。GHCは1000病院以上のDPCデータを保有しており、カバー率は約6割。今回のプレスリリースは、病院経営に資するさまざまなテーマをデータで検証したレポートを掲載する「LEAP JOURNAL」(https://www.ghc-j.com/leapjournal/)の一部記事(『診療報酬改定対応:65歳以上の入院症例16人に一人は低栄養!求められる支援のセット化』参照※会員限定記事)から分析結果を抜粋した。
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(2024/06/11 08:21)
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