障がい者とその家族が安心できる未来を創り出す。4年で16棟のグループホームをオープンした茨城発の企業の障がい者福祉への挑戦


KINOPPI株式会社(以下、「弊社」 本社:茨城県取手市)は「障がいがあっても住まいを選べる世の中をつくる。」という経営理念のもと、軽度障がい者向けのグループホーム「キノッピの家」を運営する会社として2020年に開設しました。


障がい者グループホームとは、一言でいうと生活支援スタッフの居る障がい者用シェアハウスです。弊社が考える障がい者グループホーム事業者の役割は、生きることに不安を抱えている障がい者ご本人やそのご家族の生活に関する課題をできるだけ多く解決することです。そしてそのためには障がい者福祉の関係人口を増やし、社会全体で支えていく仕組みづくりが必要だと考えています。

今回のストーリーでは、弊社が考える障がい者福祉の未来と、2024年3月にオープンした就労継続支援B型事業のコワーキングスペース「KINOPPI CAFÉ」をはじめとする障がい者福祉を通じた様々な社会課題解決への取り組みについてご説明します。



「退院後の受け入れ先がない」「8050問題」など日本が抱える障がい者福祉の課題

そもそも、日本は人口あたりの精神科病院や精神科病床の数が諸外国に較べて非常に多く、平均在院日数も圧倒的に長いです。これは、過去に国が精神障がいのある方を一般社会から隔離して、病院や入所施設に長期間収容することを施策としてきたことが根本的な原因です。

さらに、医療的な処置は終わっているにもかかわらず、退院後の受け入れ先がないために「社会的入院」を余儀なくされている方たちが、いまも数多くいらっしゃいます。 また、日本には認定されているだけでも、精神障がいのある方が約615万人、知的障がいのある方が約109万人、身体障がいのある方が約436万人いらっしゃいます。


合計すると約1160万人で、介護が必要と認定されている高齢者の約650万人を大きく上回ります。そして、そのうちの多くの方が親御さんと同居しているといわれています。 親子がともに年を取り、80代の親御さんが50代の障がいのある子どもさんの生活支援が困難になっている「8050問題」、親御さんが亡くなると子どもさんが住まいや生活の術を失ってしまう「親亡きあと」がまさに待ったなしの課題です。


国は、こういった問題を解決するため、「障害者総合支援法」という法律を制定し、障がいのある方たちが自分で選んだ地域で必要な障害福祉サービスを受けながら、自立して暮らすことができるような社会をつくろうとしています。障がい者グループホーム(共同生活援助)は、その中心となる仕組みです。

しかし、現状の多くの障がい者グループホームは、障がい者の食事と寝床の確保だけ、家事支援だけ、など「点」のサービスになっています。

その中で弊社は、障がい者とご家族が安心して暮らせるように、社会全体の「面」で支えることを目指しています。そのために障がい者福祉に関わる関係人口を増やしていくことを社会的使命として取り組んでまいりました。



福祉や医療の専門職に限らない。地域の高齢者を雇用することで生きがいを生み出す!

弊社のグループホームでは、他の福祉や医療の現場から専門職を転職させるのではなく、障がい者福祉とはこれまで関係のなかった地域の人々と協力して事業を推進しています。


特に地域の高齢者をスタッフとして採用し、スキマ時間を活用しながら社会貢献事業に参画していただく「シニア向け社会貢献型採用」を積極的に行っています。地域の高齢者の方々が地域にいつまでも必要とされる働き方を提供していくことで、新たな雇用を生み出すと同時に、高齢者の生きがいと社会からの孤立防止にも役立つモデルにできればと考えています。


そしてこのモデルを継続していくことが、障がい者支援の関係人口を増やすことにつながると考えています。現在、「キノッピの家」の利用者様83名に対し、140名の地域支援スタッフがサポートを行っています。今後も積極的に採用を進めてまいります。

地域資源を有効活用し空き家問題解決にも取り組む

また、弊社は利用されなくなった戸建てや空室になっているアパートなどを積極的に活用しています。周辺の生活環境を劣化させる要因となる空き家を、福祉住宅としてリサイクルし「やさしい街」をつくります。そうすることで、地域住民の生活環境の向上にも寄与したいと考えています。


このような取り組みを通じ、地域住民の生活環境にとっても、スキマ時間で働きたいシニアにとっても、また障がいのある方とそのご家族にとっても、「やさしい街づくり」ができるように取り組んでいます。


「住む」だけではなく「働く」もサポートする日本初(※)の障がい者向けコワーキングスペースをオープン


2024年3月15日(金)より、日本初の365日好きな曜日を選んで通える就労継続支援B型事業所であるコワーキングスペース「KINOPPI CAFÉ」をオープンしました。


これまでの「住む」を中心としたサポートだけではなく、障がいのある方のライフスタイルをよりトータルにサポートしていくため、「働く」ということにも着目した支援も行っています。

(※)2024年3月自社調べ。日本国内における「365日好きな曜日を選んで通える就労継続支援B型事業所」として。


「KINOPPI CAFÉ」が提案する新しい個別支援の形。障がい者本人の意思決定を大切に

障がい者が抱えている課題として、一般的な就労継続支援B型事業所は、毎日通わなくてはいけない、毎日頑張っても工賃が増えない、毎日単調な作業の繰り返しで仕事自体が面白くない、仕事が選べない、仕事がキツイ・つまらない、集団で行う活動が嫌だなどが挙げられます。

そのため、中々使いたい就労支援サービスがみつからないことや、通いたくなくない事業所だとしても他を選べないため紹介された事業所に通うしかない方が多い状況です。


また、通ったとしても継続して通うことができないということも多々ありました。「KINOPPI CAFÉ」では障がい者本人の意思決定に寄り添い、好きな曜日のみ働くことが可能で、仕事内容も複数の中から選択することでできるため、ご自身のライフスタイルやステップに応じてフレキシブルなワークスタイルを構築することができます。そして、日々の就労訓練を通してスキルが身についた方には、一般就労も支援します。工賃においても、一般的な就労継続支援B型事業所と比較して3倍高い設定(※)になっています。


(※)令和3年度 茨城県工賃実績一覧(障害福祉圏域別)調べ。茨城県平均:1名あたりの月額工賃15,201円/日額工賃200円に対して、月額工賃44,000円/日額工賃2000円(週5日、月22日利用する場合)

福祉サービスは誰のためものなのか?障がい者ファーストの福祉サービスへの挑戦

障がい者福祉業界は、これまで民間の参入がなかなか進まず、風通しの悪い業界でした。また、全ての事業者ではないですが、自社の売上・利益優先の考え方で、利用者を自社の福祉施設に囲い込んでしまい、障がい者本人が利用したい福祉サービスを自由に選ぶことを阻害している状況も散見されています。


中には、福祉サービスを利用する上で利用者の意思決定に沿った支援計画を作成すべき相談支援事業所や自治体の障害福祉課ですら、利用者の意思優先ではなく、地域の古い考え方や、事業者目線の古い商慣習のまま変われずにいる地域も少なくありません。


なぜそのような状況になってしまっているのか。理由は、古い業界体質にメスを入れ、障がい者が自分の意思で自由に福祉サービスを選べる環境を目指していくことは、事業所側も障がい者本人に選ばれるように支援品質を高める努力が必要になるからです。つまり、相談支援事業所も、自治体の障害福祉課も障がい者の個別対応に追われることになるのでそこまで手がまわらず、中々障がい者ご本人のための福祉サービスに変われない状況になっているのです。


実際、就労継続支援事業所「KINOPPI CAFÉ」オープンにあたってもなかなか風当たりが強く、障がい者の意思決定に寄り添った取り組みができない場面にいくつもぶつかりました。そもそも、福祉サービスが誰の為のものなのかに立ち返ると、障がい者ファーストの自由選択であるべきです。これからも様々な挑戦を通して、業界全体が障がい者ファーストの福祉サービスへと進化できるように、さらには地域社会全体がより良いものとなるよう取り組んでまいります。


障がい者福祉が全国に広がり、社会がより豊かなものとなるための支援を

おかげさまで、弊社はコロナ禍の開業から約4年で、個別サポート付き障がい者向け住宅【サポ住®】を茨城県県南エリアにて通算16棟、84居室をオープンしました。精神障害、知的障害、発達障害、難病など、83名の利用者の生活支援を行うため、現在140名を超える地域雇用も創出できました。


しかし、弊社の取り組みだけでは障がい者福祉における課題を根本的に改善することは難しいと考えています。そのため、より多くの方に障がい者福祉に関わってほしいという想いで、兼業社会起業家育成コミュニティ【障がい者GH経営サロン】を2021年に設立しました。


全国で新たに障がい者を支える役割を担う社会起業家・事業者の育成にも積極的に取り組んでいます。現在、全国60社を超えるクライアントの開業・運営サポートを行っており、過去2年半で全国25市区町村にて障がい者グループホームを新規開設(合計67拠点、300居室以上)しています。


また私個人としては、2023年10月に初の著書となる『個別サポート付き障がい者向け住宅という選択』を出版しました。それをきっかけとして全国の障がい者家族会や障がい者支援団体、まちづくり協議会など様々な場所で講演活動を行い、障害福祉を軸とした”やさしい街づくり”を啓蒙しています。


昨今の日本では、病院で認定を受けていない、 障がい者手帳を持っていない引きこもりの方などを含めると、 国民の約10人に1人が、なんらかの障がいを抱えながら生活していると言われています。 また、障がい者を一番近くで支えているご家族をあわせると、 相当な数のご家庭が障がいと向き合いながら困難な生活に直面していると言われています。

弊社は先に述べた活動をより多くの方を巻き込んで実施していくことでムーブメントを起こし、障がいのある方やそのご家族はもちろんですが、社会全体がより豊かなものとなるよう、今後も取り組んでまいります。

会社概要

会社名:KINOPPI株式会社

代表者:紀 林(きの はやし) /紀 真美(きの なおみ)

所在地:茨城県取手市白山2丁目23番地13号

電話番号:050-8892-2940

設立:2018年6月28日

従業員:130名

事業内容:

・障がい者グループホーム「キノッピの家」の運営

・不動産賃貸業

・上記事業に関するコンサルティング業務

URL:https://kinoppi.co.jp




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