医療・医薬・福祉

オリンパス、泌尿器内視鏡用4Kカメラヘッドを新発売

オリンパス株式会社
4K白色光、4K NBI、Blue Lightの観察機能を統合

オリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE III」に対応した泌尿器内視鏡用4Kカメラヘッド※1「CH-S700-08-LB」を欧州で発売しました。日本、香港及びシンガポールについても、各国の法規制対応の準備が整い次第発売します。本製品は、オリンパスとソニー株式会社との合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社が技術開発を担当しました。

4K カメラヘッド OLYMPUS CH-S700-08-LB


本製品は従来の自社HDカメラヘッドと比較して4倍の画素数を持ち、高精細な4K白色光画像と4K NBI※2画像での観察を可能としました。また光デジタル技術であるBL※3観察機能を搭載し、1つのカメラヘッドで多様な観察ニーズに対応します。これにより、膀胱がんをはじめとする泌尿器科疾患に対して、従来では得られなかった内視鏡画像を提供することで、質の高い診断・治療をサポートします。本製品の発売を通じて、オリンパスは泌尿器科疾患の早期診断、低侵襲治療、フォローアップという患者さんのケア・パスウェイを強化し、医療水準の向上と患者さんのアウトカムの改善を目指します。

※1 内視鏡外科手術において、主に内視鏡や周辺機器と組み合わせて体内の映像をモニター上に映し出す目的で使用する製品。本製品は産婦人科にも対応。
※2 NBI=Narrow Band Imaging。粘膜表面の微細な血管やその模様を観察しやすくするために、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい2つの狭帯域の光を照射することで、組織が強調表示される観察方法。
※3 BL=Blue Light。青色光を照射することで、組織に取り込まれた蛍光薬剤を発色させる観察方法。本機能は本日時点で日本のみ対応。欧州はMDR未承認。
発売の概要

製造販売元はオリンパスメディカルシステムズ(株)です。
主な特長
- True 4KイメージングとTrue 4K NBI により、手技をサポート
- 白色光観察、NBI観察、BL観察を1つのカメラヘッドで対応可能にし、より確実な診断・治療に貢献
- オートフォーカス技術を搭載し、より簡便にクリアな視野での手術に寄与

発売の背景

オリンパスが提供する膀胱がんにおけるケア・パスウェイへのソリューション

膀胱がんは、高齢者に発症の多いがんの一つです。その高い発症率と局所治療にもかかわらず再発・進展しやすい性質から、医療サービスを供給していく中で世界的に大きな負担となっています。特に膀胱がんの75%を占めると言われている非筋肉浸潤性膀胱がん(NMIBC)は術後5年以内に31~78%の症例で再発すると言われています※1。そのため、オリンパスは泌尿器科内視鏡検査におけるがん検出と経尿道的手術における腫瘍切除をサポートし、術後の再発抑制と患者さんの予後悪化の抑制に注力しています。2024年9月に欧州で外来用イメージングプラットフォーム「VISERA S※2」の販売活動を開始します。「VISERA S」はHD画質での高精細な内視鏡画像を提供し、病変の早期発見・早期診断をサポートします。今回発売する「CH-S700-08-LB」は外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE III」に対応し、治療時の膀胱内の視認性を向上させるソリューションとして、膀胱がんにおける患者さんのケア・パスウェイの強化に貢献します。

※1  Teoh, J.YC., Kamat, A.M., Black, P.C. et al. Recurrence mechanisms of non-muscle-invasive bladder cancer - a clinical perspective. Nat Rev Urol 19, 280-294 (2022). https://doi.org/10.1038/s41585-022-00578-1
※2 日本国内では医薬品医療機器等法未承認品につき、リリース掲載日時点では販売授与貸与等のできない製品です。
主な特長の詳細
1. True 4KイメージングとTrue 4K NBI により、手技をサポート
独自の4Kイメージセンサーを搭載し、従来のHD画像よりも4倍の画素数と豊かな色域の画像提供が可能となりました。Ture4Kとはイメージセンサーによる画像の撮像、画像伝送・処理、ディスプレイへの表示、映像記録の一連のイメージングチェーン全てを4K内視鏡画像に最適化させた高解像映像を意味します。また、NBI観察モードも4K画質に対応し、泌尿器内視鏡手術で重要となる粘膜表層の微細な変化に対して、術者に高精細な映像やコントラストを含む多くの情報を提供します。これによって、より精緻な病変検出と切除をサポートします。
2. 白色光観察、NBI観察、BL観察を1つのカメラヘッドで対応可能にし、より確実な診断・治療をサポート
従来、自社製品ではBL観察を行うためには専用のシステムが必要でしたが、本製品は白色光観察、NBI観察、BL観察を1つのカメラヘッドで対応可能にしました。これにより、症例によって異なる観察ニーズに対応し、また医療機関での機器運用の効率化をサポートします。
3.オートフォーカス技術を搭載し、より簡便にクリアな視野での手術に寄与
従来、自社製品では内視鏡画像のピントを合わせる際、レバーやダイヤル形状の操作部よりマニュアルでの調整が必要でした。オートフォーカス技術の採用により、ボタン一つでフォーカス調整が可能となりました。これによりクリアな視野での手術に寄与します。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
オリンパスについて
オリンパスは「私たちの存在意義」として掲げる、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指しています。世界をリードするメドテックカンパニーとして、私たちは医療従事者の方々と共に、病変の早期発見、診断、そして低侵襲治療に役立つ最適なソリューション・サービスの提供を通じて対象疾患における医療水準の向上に貢献してまいります。創業から100余年、オリンパスはこれからも世界中のお客様に最適な価値をもたらす製品を提供することで、社会への貢献を目指します。詳しくはオリンパスの公式サイト(www.olympus.co.jp)ならびにX(@Olympus_Corp_JP)をご覧ください。



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