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【看護の岐路1.】国家試験合格率に変化、カギは「看護の実践力」、離職増の背景にある看護教育と臨床現場のギャップ

株式会社eWeLL
在宅医療のDX支援を行う株式会社eWeLL(証券コード:5038 本社:大阪市中央区 以下eWeLL)は、2025年2月16日に実施される第114回看護師国家試験を前に、看護教育と臨床現場の変化に関する調査の分析結果を発表します。

近年、看護の現場は大きく変化しており、これに対応できる看護人材育成のための新たな教育が急務となっています。看護の臨床と教育の間のギャップがどのように生じているのか、岐路に立つ看護業界の最新情報をお知らせします。

《ダイジェスト》
・看護師国家試験 合格者3年連続減少、前年の合格率87.8%は過去10年で最低(※1)
・新卒看護師の1年以内離職率 10.2%に上昇、10人に1人が離職 (※2)
訪問看護の需要 求人倍率が4.18倍と急増、全看護職で大差のトップ(※3)








〈後編〉
【看護の岐路2.】2,000人の看護学生が利用する訪問看護ICT実学プログラムで「看護の実践力」向上







■看護師国家試験に変化
今年で114回目を迎える看護師国家試験の合格状況に変化が見られます。

〈過去10年の傾向〉
・受験者数、合格者数とも、2022年から減少に転じている。
・合格率は2024年が87.8%と過去10年で最低。(10年平均89.8%)


看護教育に15年以上携わる大学教授は、以下のように指摘しています。(※4)

「いわゆるZ世代と呼ばれる近年の学生は、タイパ(タイムパフォーマンス)偏重で学習もサラッと効率よくしようとする傾向が見られる。効率は重要だが、大切なことまで端折ってしまい、学習の積み上げに弊害が出ている」

看護教育の現場では、時代の変化を取り入れた効果的な学習の在り方が模索されています。






■新卒看護師が離職 「実践能力への不安」
社会の多様化・複雑化に伴い、看護学生は現場で看護を行う実践スキルを高める必要性が増しています。しかし、看護教育の年間カリキュラムは既に過密状態で、限られた時間の中で実践力も磨くことが求められます。

このような中、新卒で就職した看護師の10人に1人が1年以内に離職しており、その主な理由として「看護の実践能力への不安」が挙げられています。

〈新卒看護師の離職率 過去10年の傾向〉
コロナ禍の2021年度以降、10%超えに上昇。(それ以前は7~8%台)





〈離職理由〉
「看護の実践能力への不安」 40.5% 
(新卒看護師の離職理由に関する日本看護協会の調査 看護管理者が回答)

例年50,000人以上の看護師資格合格者のうち、年間5,000人以上の新卒看護師が離職していると推測されます。
これは、人手不足の看護業界にとって大きな課題となっています。


■高齢化ニッポン 訪問看護需要の高まり
少子高齢化の進展に伴い、在宅医療の需要が高まっています。在宅医療の重要な役割を担う訪問看護師は、2017年約4.4万人から2022年には約10万人と、5年間で2倍以上に増加しています。(※5)

また、最新の調査(2024年12月 日本看護協会発表)では、訪問看護ステーションの求人倍率は4.18倍と、全看護職種中でトップでした。2位の病院(200床未満)2.64倍と大差となっており、訪問看護の高い需要が伺えます。







一方で、就業している看護師約168万人(※6)のうち、訪問看護師は5.9%(約10万人)にとどまっています。
厚生労働省によると、需要を満たすには2025年に13万人(※7)が必要とされており、訪問看護師は不足している状況です。

eWeLLはこれらの調査結果を踏まえ、看護教育と臨床現場のギャップを埋め、訪問看護を中心に看護学生の実践能力向上を図るための支援策を教育機関と協力して進めてまいります。




〈後編〉
【看護の岐路2.】2,000人の看護学生が利用する訪問看護ICT実学プログラムで「看護の実践力」向上







■eWeLLについて
「ひとを幸せにする」をミッションに掲げ、ITを活用した在宅医療の業務支援を推進し、医療従事者の業務効率化と患者QOLの向上を実現するサービスを提供しています。
訪問看護向け電子カルテ「iBow」、地域全体の医療リソースを最適化し病院の退院支援を効率化するマッチングプラットフォーム「けあログっと」等を展開し、全国47都道府県で5万4千人の看護師等(※8) の業務で日々利用され、延べ74万人の在宅患者(※9)の療養を支えています。





社名  :株式会社eWeLL
上場市場 :東京証券取引所グロース市場(証券コード:5038)
代表者  :代表取締役社長 中野 剛人(ナカノ ノリト)
本社  :大阪市中央区久太郎町4-1-3 大阪御堂筋ビル13F
設立  :2012年6月11日
事業内容 :在宅医療分野における業務支援事業(訪問看護ステーション向けSaaS型業務支援ツール(電子カルテシステム「iBow」)等を提供する事業、診療報酬請求業務を代行する「iBow 事務管理代行サービス」など)
URL   :eWeLL公式サイト https://ewell.co.jp
      eWeLL IR情報  https://ewell.co.jp/ir
      iBow公式サイト  https://ewellibow.jp
      けあログっと公式  https://carelogood.jp
受賞歴 :『経済産業大臣賞』 最優秀賞 (第16回ニッポン新事業創出大賞 2021)
     『中小機構理事長賞』(第21回Japan Venture Awards 2022)
     『EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2023ジャパン』
     『KANSAI DX AWARD 2024 近畿総合通信局長賞(総務省)』


※1 一般財団法人 厚生労働統計協会より。
https://www.hws-kyokai.or.jp/publishing/eiesei-kangoshiken-main.html
※2 公益社団法人 日本看護協会2024年3月29日「2023年 病院看護実態調査」結果より。
※3 2024年12月 日本看護協会「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」より。
※4 調査概要:調査期間2024年12月~2025年1月、自社調べ、対象大学教員(看護学)・看護学生、有効回答数81人、アンケートおよび聞き取り調査
※5 厚生労働省 各年「介護サービス施設・事業所調査の概況」より。保健師及び助産師を含む訪問看護師数。2017年は1施設当たり常勤換算従事者数4.5人に、一般社団法人全国訪問看護事業協会調べの稼働訪問看護ステーション数9,735件を乗じて算出。
※6 日本看護協会出版会編集「令和2年 看護関係統計資料集」より。
※7 厚生労働省 (2019年) 「医療従事者の需給に関する検討会・看護職員需給分科会中間まとめ(概要版)」シナリオ3(超過勤務ゼロの場合)より。
※8 2024年12月末時点におけるiBow上で稼働中職員の看護師、准看護師、専門看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、看護助手等の総数。
※9 2024年12月末時点における発行されたiBow上の訪問看護指示書の延べ対象患者数。
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