インタビュー

スキンケアは3分以内で
皮膚科専門医に心得を聞く

 ◇オーガニックだから安全とは言えぬ

 最近は敏感肌だと感じる女性が多く、「低刺激」をうたう化粧品が多い。しかし、「低刺激」という表示には特に基準はないので、過信は禁物だ。

 肌に優しい化粧品を選ぶこつはあるのだろうか。「一つの目安は表示されている成分の種類です。成分が多ければ、そのどれかでアレルギーを起こす確率は高くなります。化粧水にしても何にしても、成分が少ないもの方がトラブルは起こしにくいと言えます」

 オーガニック化粧品が安全と考えている人も多い。だが、一概にそうとは言えない。「食べ物はオーガニックの方が良いのですが、化粧品は別です。植物エキスは成分が複雑で、肌につけるとアレルギーを起こしやすいのです」

化粧品の使い方のこつ(よしき皮膚科クリニック銀座提供)

化粧品の使い方のこつ(よしき皮膚科クリニック銀座提供)

 ◇洗顔は固形せっけんが良い

 液状やフォーム状などさまざまな洗顔料が売られているが、お勧めは固形せっけん。固形のものの方が添加物が少なく肌にやさしい。朝は水による洗顔だけという人が増えているが、寝ている間も皮脂は出るので、朝も固形石けんで洗顔した方がよい。皮脂が残ると毛穴が開く原因になる。

多くの商品が並ぶ化粧品売り場=東京都内のデパート

多くの商品が並ぶ化粧品売り場=東京都内のデパート

 ◇高価な化粧品の方が良い?

 化粧品の価格と効能についても聞いてみた。

 「高いものほど良いということはありませんが、値段が関係ないとも言えません。標準価格以下のものは安物という位置付けになり、メーカー側もそう捉えています。千円のサンダルは品質も相応であるのと同じです」

 特にクレンジングと保湿液だけはあまり出費を惜しんではいけない。クレンジングはクリームかジェルタイプの肌に優しいもの、保湿美容液はセラミドかヒアルロン酸を含むもので、いずれも3千円以上を目安にするとよい。石けんは千円以下でも構わないし、化粧水はつけなくてもよいという。そうすれば、全体に安く済むし、時短にもなる。

 本当に賢いケアは、肌にもお財布にも優しい。(鈴木豊)

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