治療・予防

丈夫な骨のカギはビタミンD
将来の骨折予防を

 ビタミンDは丈夫な骨の形成と維持に重要な栄養素だ。ビタミンDの血中濃度が低いと骨折しやすくなることはよく知られており、以前から高齢者の骨折との関連が指摘されている。ビタミンDと中高年女性の骨折との関連を15年にわたり追跡調査してきた近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)学部長の伊木雅之教授に話を聞いた。

ビタミンDの欠乏が骨折や骨粗しょう症を招く

 ▽半数以上が「D」不足

 ビタミンDは食事から取ったカルシウムの吸収を助け、血液中のカルシウムを骨に吸収させる役割も担う。欠乏すると、小児では「くる病」、成人では「骨軟化症」を起こすことがある。

 伊木教授らは、日本人女性の骨折と骨粗しょう症の予防を目的に1996年に調査を開始。50歳以上の女性1236人から血液を採取してビタミンDの血中濃度を測定し、その後、15年間追跡して骨折リスクを調べた。

 通常、ビタミンDの血中濃度(1ミリリットル当たり)は、30ナノ(ナノは10億分の1)グラム以上が充足した状態とされる。ところが、96年の調査開始時点では、全体の半数以上が20ナノグラム未満とビタミンD欠乏状態だった。

 ▽食事と日光浴が有効

 5年後の2001年の調査では、96年に血中ビタミンDが10~20ナノグラム未満と欠乏状態だった人が背骨以外を骨折するリスクは、充足している人の3.49倍だった。10ナノグラム未満とビタミンDがひどい欠乏状態だった人では6.55倍にもなった。そして、15年後の調査では、ビタミンD濃度が20ナノグラム未満だった人で、高い骨折リスクが継続していた。「この調査からも、骨粗しょう症や骨折の予防には、ビタミンDの摂取がいかに重要であるかが分かります」と伊木教授。

 ビタミンDが豊富に含まれる食品は、サケやカツオなどの魚類やキノコ類など。干しシイタケは食べる前に日光に当てると、ビタミンDの含有量が増えるという。

 ビタミンDは、紫外線を浴びることで皮膚で生成することも可能だ。伊木教授は「ビタミンD不足が心配な人は、手や足先などを日光に当てるとよいでしょう。特に日の光が弱まる冬場は、できるだけ日に当たることをお勧めします」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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