研修医こーたの出来たてクリニック

私を医師にした患者さん
研修医が初めて感じた「やりがい」

 医師として働くようになって、半年がたちました。入院患者さんを診察し、病態にあわせた検査、薬やリハビリの処方を指導医と相談しながら行うという病棟業務も、少しずつできるようになってきたと感じています。病棟業務を覚えるに連れ、患者さんの元へ行くのが楽しくなり、患者さんに心を開いていただける回数も増えてきたと思います。

医師のやりがいとは?

 ◇自分の生活の一部に
 そんな中、5月から担当させていただいていた患者さんが先日退院しました。この患者さんとは毎日、他愛のない話から病気の話まで、さまざまなことを長い時間お話しさせていただきました。

 特定の患者さんを特別扱いするのはよくないことですが、毎朝その患者さんのカルテを見るところから私の仕事は始まっていました。

 昨日からの経過はどのようになっているのだろう。今日はどんなことをすればよくなるのか。毎日そんなことを考えていました。休みの日もその患者さんが改善するように勉強会に参加したり、文献を調べたりと、表現が正しいかはわかりませんが、患者さんが自分の日常の一部となっていました。

 退院は突然で、「今日ご家族の方がいらっしゃって、退院することになった」と指導医から伝えられました。病室へ急いで向かったところ、荷物はきれいにまとめられており、退院準備も万全な状態でした。ありがとうございましたと、ご本人とご家族からお礼を言われましたが、お礼を言いたいのは私の方でした。

 ◇うれしい半面、寂しさ

 「若い担当医師で少なからず不安があったでしょう。全くそんなそぶりを見せずに一緒に治療に励んでくださったのだなあ。私を成長させ、医師免許を持った人から新米医師にしてくださったのは、この患者さんだ」と、感謝の気持ちでいっぱいでした。

 そして退院が決まりうれしい半面、「もうこの患者さんと関わることは少なくなるのだなあ」という寂しさを感じました。病状が軽快した喜びとお別れの寂しさ、大げさかもしれませんが、やりがいとはこの混じり合った感覚のことなのでしょう。

 今後もさまざまな患者さんと出会い、経過が良くなるお手伝いをさせていただくと思います。このようなやりがいを感じていけるよう、さらに医業に打ち込んでいこうと考えています。(研修医・渡邉昂汰)

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